コーチ坂本花織を追って神戸へ「存在自体が心強い」川勝玲奈16歳の新たな挑戦

ジュニア3季目を迎えた女子の川勝玲奈(16)が、新たな一歩を踏み出しました。3月の4度目の世界選手権優勝を最後に現役引退し、今季から指導者に転身した坂本花織(26)の指導を受けるため、木下アカデミーから神戸クラブに移籍。競走馬を愛する高校1年生が、憧れの背中を追いかけます。7月末のアクルス杯の取材から「アイストーリー」としてお届けします。(敬称略)

フィギュア




みなとアクルス杯 ジュニア女子フリー 演技する川勝玲奈(撮影・野上伸悟)=2026年7月25日

みなとアクルス杯 ジュニア女子フリー 演技する川勝玲奈(撮影・野上伸悟)=2026年7月25日


世界女王のいる場所へ

「スピードを出して跳んでおいで!」

リンクへ向かう背中に、快活な声が飛んだ。川勝は小さくうなずき、深く息を吸う。

振り返ると、そこには坂本が立っていた。世界選手権を4度制し、2月のミラノ・コルティナ五輪でも銀メダルを獲得した世界女王。ほんの数カ月前までテレビや客席から演技を見つめていた人が、今はリンクサイドから自分を送り出してくれている。

「存在自体が心強いです」

迷いなく口にしたその一言が、2人の今の関係性を物語っていた。

◇     ◇

朝6時半。京都の自宅を出る。

眠い目をこすりながら新幹線で神戸へ向かい、約30分後にはリンクに立つ。午前8時から朝練習が始まる。

滑り終えても、一日は終わらない。夜の練習まで時間が空くため、ジムへ向かう日もあれば、カフェで学校の課題を広げる日もある。大阪の通信制高校に籍を置くからこそできる時間の使い方だ。

夜の練習を終えて京都へ戻る頃には、時計の針は午後10時近くを指している。休みは週に1日だけ。

「長いです」

そう笑う表情に、苦しさはない。「この環境で強くなりたい」という思いの方が、ずっと大きい。

今季から神戸クラブへ移籍した。高校1年生。遊び盛りの年頃だが、この生活を選んだことに後悔はない。理由は、ただ一つだった。

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スポーツ

勝部晃多Kota Katsube

Shimane

島根県松江市生まれ。2021年4月入社。高校野球の神奈川担当などを経て、同年10月からスポーツ部に配属。バトル班として新日本プロレスやRIZINなどを担当し、故アントニオ猪木さんへの単独インタビューや武藤敬司氏の引退試合、那須川天心―武尊などを取材した。 23年2月から五輪班に移り、夏季競技はバレーボールを中心に担当。同年秋のW杯や24年夏のVNLなど。冬季競技はフィギュアスケートをメインに務め、全日本選手権は2年連続で取材中。X(旧ツイッター)のアカウントは「@kotakatsube」。