プロ野球の守備のベストナインを表彰する三井ゴールデングラブ賞が11日に発表され、ソフトバンク小久保裕紀一塁手(39)は95年に二塁手で獲得して以来、史上最長となる15年ぶりの選出。11月1日現在では39歳0カ月となり、パでは最年長となった。阪神城島健司捕手(34)は捕手としては史上初の両リーグでの受賞。

 ソフトバンク小久保の2度目のゴールデングラブ賞受賞は、2つの快挙がともなうものになった。39歳1カ月で、パ・リーグの最年長受賞。二塁手だった95年以来、15年ぶりの受賞は最長ブランク。コメントにも喜びがにじんでいた。

 「プロ2年目の受賞の際は、その評価に値する守備だっただろうかという、半信半疑な気持ちだった。それから『守備はやればやるだけ上手くなる』と信じ、練習を積み重ねてきました。今回は前よりも守備でチームに貢献している自負もあり、自分自身納得しています」。

 投手がピンチに陥れば、すぐに一塁からマウンドに足を運ぶ。王球団会長に認められた守備力に誇りも持つ。ただ、それも多くの失敗を無駄にしなかったから。若手時代の守備のミスを振り返ったことがある。

 「まだセカンドを守っていたとき、投手が吉田豊彦さんで。1-7で負けた試合があるんだ。その試合、オレが初回に併殺をミスって5点取られた。投手の生活圏を脅かすのだから、申しわけない気持ちでいっぱいだった」。若き頃と頻度は違うが、キャンプでの特守も恒例。努力を欠かさずまた球史に足跡を刻んだ。

 [2010年11月12日10時53分

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