「三井ゴールデングラブ賞」の受賞者が11日、発表された。阪神城島健司捕手(34)は捕手としては史上初の両リーグでの受賞。阪神平野恵一二塁手(31)も初受賞だ。セ優勝の中日からは1人も選ばれず、優勝チームからゼロ人は10年ぶり2度目。ソフトバンク小久保裕紀一塁手は39歳シーズンでのパ最年長受賞と同時に、95年に二塁手で受賞して以来、両リーグ通じて最長ブランクとなる15年ぶり受賞となった。

 城島が新たな勲章を手にした。捕手では史上初となる、セ・パ両リーグでのゴールデングラブ賞受賞。マリナーズに所属していた07年にはメジャー全体でNO・1の盗塁阻止率を誇ったこともある「スーパー捕手」が喜びの言葉を語った。

 城島

 セ・リーグ1年目で、しかも優勝に導くこともできなかったのに、このような光栄な賞をもらって、本当にいいのかなという気持ちはあります。でも、自分の中で守備というのは大きなウエートを占めていますし、受賞できたというのは正直にうれしいです。

 2年目を迎える真弓阪神の目玉として加入すると、期待通りの大活躍だ。ダイナマイト打線の一翼を担ったバットはもちろんのこと、それ以上に存在感を示したのが、グラウンドでの司令塔としての役目だ。

 「(盗塁は)ことを起こさせないことが一番」

 捕手として全144試合に先発出場し、敵の盗塁企図数を昨季の131から65へと半減させることに成功した。

 城島

 守備は1人ではできないもので、特に盗塁阻止率に関しては投手の協力あってこそのもので、みんなに感謝です。来年はもっと盗塁阻止率を上げて投手を助けられるように頑張ります。

 盗塁阻止率は3割4分9厘。これは巨人阿部、中日谷繁に次ぐリーグ3位の数字でシーズン後には「盗塁阻止率4割はやっぱりクリアしたいところ」と反省した。来季への準備に抜かりはなく、今季のスローイング映像を編集したDVDを球団スコアラーに発注済みだ。

 現在は地元九州でひっそりと充電中。従来より飛ばないとされる統一球が使用される来季は、勝負どころでの盗塁が勝敗を左右する可能性もある。悲願のV奪回に、球界の歴史に新たな名を刻んだジョーの存在が必要不可欠だ。

 [2010年11月12日10時55分

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