ソフトバンクが、ブレーブスを戦力外となった川上憲伸投手(35)の獲得に乗り出す可能性が高まった。40人の登録枠を外れ、2Aに降格した川上について、王貞治球団会長(70)は14日、「検討するに値する」と発言した。本人は米国でのプレーを希望しているというが、国内復帰となれば争奪戦が予想される。最大の補強ポイントを右の先発投手と位置付けるソフトバンクが、獲得に向けて本格的な調査に入ることが確実となった。

 大型補強を目指すソフトバンクに新たなターゲットが出現した。中日時代に112勝をマークした沢村賞右腕の川上だ。この日、川上が40人の登録枠から外れて2Aに降格し、ブレーブスが日本の球団を中心にトレード先を探していることが判明。北九州市内で名球会のイベントに参加した王会長は「検討するに値する。うちは右ピッチャーがいないし。今年も、CSを決められなかった。何とかして補強で、というのが今オフの球団の考えだから」と、前向きに話した。

 リーグ制覇しながら日本シリーズ進出を逃した。その反省を踏まえ、来季に向け、右の先発投手が最大の補強ポイントとなっている。ブレーブスとの3年契約の最終年となる川上の来季年俸は667万ドル(約5億3360万円)と高額だ。しかし、ブレーブスは年俸の全額ではなく、その一部を負担して獲得できる球団を探している。それだけに交渉の余地はある。

 ソフトバンクは今季76勝のうち、右の先発投手が挙げた勝ち星はわずか11勝。王会長は北九州市内のホテルで行った講演会の中でも「うちは左投手は育つんだけど右がいない。やっぱりバランスがね」と話した。今季の川上は、開幕から9連敗するなど18試合で1勝10敗に終わったが、中日時代に112勝を挙げた実績がある。伸び悩む若手の手本にもなる。本人は米国でのプレーを希望しているというが、今後、ソフトバンクの動向にさらに注目が集まりそうだ。

 [2010年11月15日9時39分

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