ソフトバンク摂津正投手(28)が12日、東日本大震災の影響で中止となったオープン戦の代わりに行われた、広島との実戦形式の合同練習(マツダ)に先発した。

 悲痛な思いを胸に抱えマウンドに立った。予定されていたオープン戦は中止となったが、急きょ、実戦形式の合同練習が実施された。先発して5回6安打無失点だった。

 秋田市生まれの摂津は社会人時代、JR東日本東北に所属。仙台市で過ごしただけに、震災に心を痛めながらのマウンドだった。「そういう(東北に勇気を与える)気持ちで投げていきたい。強い気持ちを持って」。

 前日広島へ移動する直前に地震が起こったことを知った。一緒にいた細川から「仙台は何とも言えない状況になっている」と聞き真っ白になった。家族の無事は確認できたが、安否が分からない友人もいる。不安な思いを抱えながら一夜を過ごした。マウンドでは、目の前のことに集中。走者を背負いながらも粘りの投球を見せた。「状況判断もできた」。練習試合とオープン戦も含めて12イニング無失点。先発予定の開幕2戦目、26日オリックス戦(福岡ヤフードーム)へ、仕上がりは順調だ。