<オリックス4-5阪神>◇17日◇京セラドーム大阪

 「投」のヒーローも若虎だ。ドラフト1位榎田大樹投手(24)が絶体絶命のピンチを切り抜けた。6回、1点差に迫られてなおも1死満塁。真弓明信監督(57)も「1点は覚悟した」という場面に送り出された肝っ玉左腕はひるまなかった。

 代打下山にフルカウントになりながら外角直球で三振。梶本勇の打球は左翼後方への大飛球になったが金本が追いついた。

 「打った瞬間ヤバイと思ったですけど、本当に金本さんのおかげです」。

 さらに今季2度目となる回をまたいだ7回も抑え、勝利をたぐりよせた。

 試合前に悲痛なニュースを耳にした。13日に母校・小林西高の男子寮で野球部の後輩4人が体調不良を訴え入院。うち1人が髄膜炎菌性髄膜炎の疑いで死亡した。榎田も初めて親元を離れて3年間過ごし「第2の故郷」と話す思い出の場所で起こった悲劇。騒動の中、連絡をするわけにもいかず、もどかしい思いを胸にマウンドに上がっていた。

 「自分も内容が分からないけど亡くなられた部員もいるので悲しい。状況が状況なので、僕にはどうすることもできません。自分は野球をしっかりするだけ」。

 この夜も、目の前のことに全力で取り組んだ。ささやかながら、後輩への励みになったはずだ。