<日本ハム3-0ヤクルト>◇18日◇札幌ドーム

 絶対的な守護神が、満を持して最終回のマウンドへ上がった。日本ハム武田久投手(32)が12球団最速の10セーブ目をマークした。3点リードで迎えた9回。先頭打者のホワイトセルをカーブで見逃し三振に仕留めると、続く4番の畠山を中飛、打率3割8分超のバレンティンには143キロの直球を内角へ恐れず投げ込み一飛に。「カウントの取れる球で(大野が)うまくリードしてくれた」。女房役への感謝の言葉が、真っ先に口をついた。

 わずか10球でのセーブ劇。8回までマウンドに上がっていたエース、ダルビッシュのような派手さはないが、与えられた仕事を着実にこなす。開幕から12試合に登板し、1度も得点を許していない。セーブ王に輝きリーグ制覇の原動力となった09年のような安定感が、今の武田久にはある。

 “守護神”という言葉に、自分なりの定義を持っている。「(中日の)岩瀬さんがすごいのは、何年も続けて活躍しているから。守護神っていうのは、ああいう人のこと」。昨年は不調に泣き、チームもリーグ連覇を逃した。「1年や2年、活躍しただけではダメ」。抑えに転向して3年目。どんな時でも安定した活躍をすることが目標だ。真のストッパーへの道を、これからも追い求める。【中島宙恵】