交流戦だけど予告です。今日20日の楽天-ヤクルト1回戦(Kスタ宮城)に、ヤクルト由規投手(21)と楽天田中将大投手(22)が先発する。ヤクルト小川淳司(53)、楽天星野仙一(64)両監督が明言した。

 隠すつもりは毛頭ない。Kスタ宮城のベンチにドカッと腰掛け、星野監督が口を開いた。「由規らしいな。うちは田中だよ。動かせないだろう!」。4連勝中と波に乗る21歳に対し、22歳の田中将大投手を明言した。「交流戦は予告先発じゃない」と言ってきた。予告先発の是非は置き、ルールに従う。前カード巨人戦初戦。候補2人が挙がり「岩隈だ」「永井だ」と“煙幕”を張ったほど。あえて予告したのは由規が地元仙台出身だから。「東北のファンにとっても、いい対戦になる」と描いた。

 由規が入団時、家族を思い涙したことを覚えている。「この子は大成するなと。誰かのために頑張る、という感謝の気持ち。そういう子は周りも助けてくれる」。同時に「中背でも体のインナーが強い」と認めるからこそ、堂々の勝負がふさわしい。由規同様、気持ちで向かう田中に触れ、「マサヒロも感情を出す。大事なことだ」と期待した。

 田中VS由規は過去2試合で1勝1敗。調整を終えた田中は「去年、負けてますから。頑張ります」とリベンジ返しを心に秘める。ただ、何よりもチームの連敗ストップが使命。「今は投手が頑張って。打線に助けてもらうこともある。助け合いです」と全精力を出し切る覚悟だ。【古川真弥】