ガッツマンが強行先発する!

 前日18日オリックス戦で左太もも内側を打撲した阪神平野恵一内野手(32)は今日20日ソフトバンク戦(福岡ヤフードーム)先発が確実となった。1回表だけでの負傷交代から一夜明け、甲子園室内練習場でマシン打撃などを行い、状態を確かめた。

 決意を秘めた表情で、平野がロッカールームから現れた。打撃用手袋を持参。バットを手に、甲子園室内練習場に消えた。痛む左足をかばうことなく、しっかりした足取りで階段を下りる。強行先発へ、気合がみなぎっていた。

 平野

 できるように準備をして、治療して、明日(20日)を迎えるだけです。歩行はできるけど、思っている以上に良くない。明日までに何とか間に合わせないと。チームに迷惑をかけられない。

 18日オリックス戦の1回表、二塁走者として本塁突入の際に捕手と交錯した。左太もも内側を打撲し、そのまま途中交代した。前日の時点では1軍登録抹消の可能性も否定できず、現に明るい状態ではないという。それでも、責任感が体を突き動かした。

 午前11時33分、常川チーフトレーナーとともに室内練習場にこもった。報道陣シャットアウトの空間からは「カ~ン」という快音が響いた。

 常川トレーナーは「動作の確認です。バントをしていました」とけむに巻いたが、マシン打撃やランニングで22分間状態を確かめたもよう。クラブハウス内で治療も継続した。

 15日中日戦では鳥谷が右手人さし指を負傷。今なお、遊撃守備に就ける状態ではない。すでに大和も左肩亜脱臼で離脱し、チームは緊急事態を迎えている。不動の二遊間を同時に欠くことだけは避けたい。久慈守備走塁コーチは変わらぬ信頼感を口にした。

 「無理してやったら(19日の練習も)できないことはないんだろうけどね。昨日の今日だから。普通に歩けているし、出てもらわないと困る」。

 練習後は新幹線で福岡入り。今日20日ソフトバンク戦の先発出場に意欲をにじませた。

 平野

 明日、元気に出られるようにしたい。

 熱い気持ちにブレはない。【佐井陽介】