<ヤクルト1-9ソフトバンク>◇22日◇神宮
紙一重で球団新記録を逃した。ソフトバンクは先発摂津正投手(28)がヤクルト戦の5回に1点を失い、連続無失点イニングは球団タイの「38」で止まった。2死一、三塁で青木を一塁へのボテボテのゴロに打ち取ったが、これが痛恨の内野安打となった。ただその1失点のみで9-1の完勝。交流戦は4勝1分け負けなしで、勢いは失っていない。
68年前に偉大な記録をつくった先輩らの“いたずら”だったかもしれない。「記録を破るのはそう簡単じゃないよ」と言わんばかりの、恨めしい打球だった。
5回2死一、三塁。摂津は青木をカーブで打ち損じさせた。打球は、一塁横へのボテボテのゴロ。これを素早い動きで捕球した39歳の小久保が、打者走者の青木にダイビングでタッチにいった。
青木をアウトにすれば、1943年の球団記録が更新されるところ。一塁カバーに全力で走った摂津も、祈るような表情で塁審のジャッジを見た。同じくベースにダイビングした青木に、タッチはわずかにかわされた。
この瞬間、新記録樹立は逃した。4戦連続完封勝利のチーム記録もパー。ただ首に持病を抱える主将のケガをも恐れねプレーが、チーム一丸での4連勝と首位独走を呼び込んだ。
小久保
(ダイビングは)当然やろ。(5回ピンチで摂津に)完封の記録がかかっているから三振狙えや、って言った。
摂津も仲間の気持ちに応える投球だった。雨で30分開始が遅れたが、普段通りの冷静さでセ・リーグ首位のヤクルトを封じた。4回まで3安打無失点。タイ記録まではあっさり並んだ。
昨季までは中継ぎだったため打席は1度しかなかった。この日は1四球と2犠打。9番打者として上位にきっちりとつなぐ役割を果たし、自身3勝目をもぎとった。
摂津
打線が序盤に点を取ってくれたおかげで、楽に投げられた。(失点は)申し訳ないです…。
野手が投手を思い、投手が野手を思いやる、まさに一丸野球だ。
秋山監督
よくつながったね。摂津もよく粘った。
交流戦は負けなしで、リーグ2位の日本ハムとは今季最大の2ゲーム差。隙がまったく見当たらないホークスの野球に、68年前の先輩らも拍手を送っているはずだ。【倉成孝史】



