<楽天2-6ソフトバンク>◇28日◇東京ドーム
楽天ルーキー塩見貴洋投手(22)が6回途中4失点でKOされた。プロ初勝利を挙げたソフトバンクを相手に、中11日で満を持してのマウンドだったが、小久保に先制ソロ、逆転3ランとプロワーストの1試合2発を浴びて4敗目を喫した。球種が少ないため、狙い球を絞り込まれたことに加え、初球の入り方が不用意だった。今後への糧にして次回登板に生かす。
短い言葉に悔しさが凝縮されていた。首位ソフトバンクの強さを思い知らされた塩見は「失投です」。ベンチから引き揚げる時に振り返った言葉は、たったひと言だけ。無念そうに口を結び、東京ドーム奥の通路へと消えた。
1点リードの6回、連打で無死二、三塁のピンチ。初球に選んだのは、スライダーだった。真ん中から内寄りのストライクゾーンへ。小久保は待ってました、といわんばかりにバットを合わせ、左翼スタンドに運んだ。百戦錬磨のベテランに、狙い球を絞り込まれていた。
マウンドに集まって一呼吸置いた直後だった。出向いた佐藤投手コーチは「インコースに低く、しっかり投げろ。外野フライなら同点だから、それはいいって言ったんだ。小久保によく打たれるのは、入り方の意識の問題。ホームランだけでやられてる。スライダーだと思うけど、いってしまったでは済まない」と反省を促した。
初球の入り方が不用意だった。外国人がそうであるように長距離砲は、チャンスで初球から振ってくる。まず警戒するのは1発だけは避けること。よほど厳しく攻めるか、ボール球にして様子を見るべき。小久保には1打席目、内角直球をソロ被弾した。2打席目はスライダーで三振。この過程と結果をふまえ、何を狙っていたか。もっと慎重に攻めることが必要だった。
塩見は右打者にクロスファイアで食い込む内角直球が生命線。加えてスライダーの2つが組み立ての大半を占める。打者の手が出ないような150キロ近い球速があれば、少ない球種でも封じられるが、塩見の場合は制球が甘くなると痛打されるケースが多い。スタミナが落ちる中盤以降は、それが顕著になる。
痛い目にあわないと分からない。プロ初、屈辱の1試合2被弾は、ルーキーの頭に体に刻み込まれた。初登板初勝利を飾って以降、登板7試合で4連敗。約2カ月、勝ち星から遠ざかっている。失敗の経験から、学びたい。【柴田猛夫】



