<阪神6-4横浜>◇2日◇甲子園
いやあソコヌケに明るいですなあ。つい3日前に初回の併殺打で「今は底」と断じていた4番新井貴浩内野手(34)が2戦連発のアーチをかっ飛ばした。1回2死三塁でV2ラン。主砲が勢いをつけた打線は10安打6得点。ソコヌケにダイナマイトな季節がやってきた。
白球は、まだ鮮やかな青色が残る7月の空にまっすぐ吸い込まれていった。左中間最深部にスタンドインする、サタデー・ナイト・フィーバーの始まりを告げる2夜連続のアーチ。4番打者は誇らしげに歓声のシャワーを浴びた。
お立ち台では同級生の藤井彰人捕手(35)と並んで爆笑トーク。「いやー面白かった。今日は藤井でしょ!」と笑ったが、新井の一打が持つ意味は大きかった。
初回。平野の二塁打で得た2死三塁の先制チャンス。2球見逃しで追い込まれたが3球目、真ん中低めに来たシンカーに体勢を崩されず、しっかりバットを振り切った。「先制できてよかった」と納得した。
真弓監督と和田打撃コーチがうれしそうに出迎えた。リーグ戦再開後、前のカードまで19打数1安打。自分で「底」と評するほどの状態だった。和田コーチとは毎日話し合い、6月30日の練習では指揮官に身ぶり手ぶりの直接指導を受けた。2戦連発は間違いなく明るい兆しだ。
6月26日の朝。球場出発前に自宅で大リーグ中継を見た。広島時代の先輩で、心から慕うドジャース黒田の試合だ。「かわいそうだよな…。本当にかわいそう。黒田さんのときはいつも点が入らんから」。好投しながらチーム事情から5回で代打を送られた。無念の表情でベンチに下がる姿を目に焼き付けた。
防御率3・10と開幕から好投を続けながらも援護に恵まれず、その試合で6連敗になった。ただ、黒田は不平不満は口にせず、黙々と全力投球を続けた。ついにこの日、1カ月半ぶりの6勝目をつかんだ。そんな姿に新井も感銘を受け、主力打者の責任感を身につけた。
5回に三塁村田の失策を誘うと、今季初の二盗も決めた。前向きな気持ちがプレーに表れた。「どんどん上げていきたい。明日もいいゲームをしたいね」と浮かれることなく、汗と泥にまみれた顔を引き締めた。【柏原誠】



