<ヤクルト5-4巨人>◇5日◇静岡
セ・リーグ首位のヤクルトが、ウラディミール・バレンティン外野手(27)のサヨナラ打で今季最多の貯金10とした。先発の「バカボン」七条が6回4失点で降板したが、4回までの3点ビハインドから粘り強くジワジワと追い上げた。最後は不振で7番に降格した助っ人の殊勲打で、競り勝った。これで巨人戦は2引き分けを挟んで5連勝。01年以来の優勝を目指すツバメの勢いが止まらない。
「7番」バレンティンが、両手を広げて一塁へと走った。水が、スポーツドリンクが舞う。ユニホームはビチョビチョでも、手荒い祝福を受けても、笑顔ばかりが広がった。お立ち台に上がると「あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す!」と日本語で決めた。
同点の9回2死一、三塁、1ボール2ストライクから、巨人久保のフォークを左前に運んだ。すでに試合時間は3時間30分を超え、凡退すれば引き分けの場面。「打席がもう1度回ってきたら、チームに貢献したかった」と集中していた。
伏線は9回表の守備にある。1死一、二塁から右飛を落球するミスがあった。二塁に送球してアウトは1つ奪ったが「二塁ランナーが目に入った」とうなだれた。7番に降格した1日の広島戦で40打席ぶりの本塁打を放ち、2日から5番に復帰したが、再び不振に陥った。2試合連続無安打で、この日から再び7番に戻った。打ってダメ、守ってダメの不振を、一振りで帳消しにした。
助っ人の活躍で、派手に勝ったが、小川監督は開口一番、「三輪が良くあのスタートでホームにかえってくれた」と言った。リードされても負けない、ヤクルトの強さが詰まった試合だった。
1点を追う7回、先頭の4番畠山が左翼線に二塁打を放つと、小川監督は代走に三輪を送った。この日3安打の4番は、9回にもう1打席が回ってくる可能性が残っていた。指揮官の勝負手に、選手が応える。川端の二塁ゴロで1死三塁とすると、宮本の三塁ゴロで好スタートを切って、同点のホームにかえった。
連勝を狙った先発の「バカボン」七条が、6回4失点と苦しんだが、負けない。4回までに3点のリードを許したが、最後は内野ゴロで同点に追い付いた。これで巨人戦は2つの引き分けを挟み5連勝。10年連続で負け越してきた天敵だが、小川監督は「以前ほど、巨人に対する意識は過敏じゃなくなった」と平常心で戦っている。
サヨナラ打を放ったバレンティンは「チームが必要としている時に打てない日が続いた。今日のヒットが自分自身にとっても自信になれば」と言った。これで貯金を今季最多の10に伸ばし、今日6日、本拠地神宮に帰る。【前田祐輔】



