<西武2-7ソフトバンク>◇5日◇西武ドーム

 連敗もスランプも脱出だ。打撃不振に苦しんでいたソフトバンク松田宣浩内野手(28)が決勝13号3ランで、チームの連敗を3で止めた。6回に同点に追いついた直後、10試合ぶりとなるアーチを左翼席へ。守備でも1回と5回にスーパープレーでピンチを防ぐなど攻守にわたる活躍で、首位陥落ピンチにさらされていたチームを救ってみせた。

 好調時の松田の姿が戻ってきた。大きく踏み出す左足に上体がグッと乗る。独特の前さばきのスイング。不調時は空を切り続けていた外角スライダーをとらえた。6回。同点に追いつき、なおも2死一、三塁。左翼席へ、打球は放物線を描いた。決勝13号3ランだ。

 松田

 とにかく、何とかしたいって気持ちだけでした。気合でボールに食らいついた結果です。

 アーチは6月19日横浜戦(横浜)以来、10試合ぶり。打点も、リーグ戦再開以降では初めて。その間、チームは9試合で3勝6敗。自らは31打席ノーヒットと極度の不振を経験するなど、打率は2割9分3厘から2割5分6厘まで急下降した。バットが湿ると歩調を同じくして、チームも足踏み。今季初の3連敗を喫し、関東入り。チームの連敗に、自身のスランプに、別れを告げた瞬間だった。

 豪快弾は、決して偶然ではないはずだ。松田は今季、バットを短く持つ工夫を施しているが、表に見えない配慮も忘れていない。今年からマウスピースをかむようにした。力みを和らげ、効率よくパワーを伝えるだけではない。「ノドが開くみたい。空気の通りがいいんですよ。ものすごく楽です」(松田)。気道を確保し、酸素を多く取り込めるため、疲労回復にも役立つと言われる。その言葉を証明するかのように、蒸し暑い夏の訪れに負けず、復調への歩みを踏み出した。

 松田

 今日は守りからリズムを作れたと思う。

 守備でもビッグプレーを演出した。1回1死三塁。西武中島の三遊間への強い打球に飛びついた。グラブに収められなかったが、ボールは目の前に落ちた。立ち上がりざまに拾い、反転して本塁送球。ストライクスローで三塁走者の浅村をアウトにした。1点を先制した直後のスーパープレー。今夏の球宴には初出場するが、リーグを代表する三塁手への成長を守りでも示した。5回には中村が三塁側スタンド方向のドーム天井に当てグラウンド側に戻ってきた打球をキャッチし三邪飛。運も巡ってきた。

 日本ハムが敗れたことで、チームは単独首位に返り咲いた。秋山監督は「(6回に)小久保がよく同点にしてくれて、その後、松田も(相手にしてみれば)失投だろうが、よく打ってくれた。1つ1つ勝っていかんとな」。チャンピオンブルーと称した水色ユニホームでの初勝利。王者の強さが、背番号5の復調とともに、よみがえってきた。【松井周治】