<ロッテ3-4日本ハム>◇7日◇QVCマリン

 日本ハムのダルビッシュ有投手(24)が3連勝、両リーグトップを独走する11勝目をマークした。ロッテ9回戦に先発し、8回6安打3失点。風速10メートル前後の強風が吹き荒れる中、プロ7年目で初のランニング本塁打を許し、暴投と捕逸で失点する乱調も要所で粘った。5試合連続2ケタ奪三振もならなかったが、チームの連敗を2で止め、エースの貫禄を示した。

 ダルビッシュが悪条件に順応した。今季初のQVCマリンでの登板。長い襟足がなびく強烈な潮風を浴びながら思考を転換した。「ボールがすごく動いてくれたので投げやすい」と、純粋な速球ではなくツーシームを多投。ドーム球場とは違う外的要素を逆利用した。

 「真っすぐが浮くので、ツーシームを低めに(内外角)アバウトに投げた」。半数以上となる13個のアウトを、強風の影響を受けにくいゴロで奪った。親交ある野茂英雄氏以来、史上2人目となる2度の5試合連続2ケタ奪三振を達成するチャンスだったが、あくまでチームの連敗阻止を優先して投球を組み立てた。

 綿密な配慮は、試合中にもあった。3回には中田がバウンド処理をミスしたことから、プロ入り初のランニング本塁打を献上した。

 ダルビッシュ

 しょうがないというか…。ああいう経験は一生に1度あるか、ないか。「気にするな」と言いました。あいつにとっても、僕にとってもいい経験ですから。

 自らも6回に暴投で失点。8回には同い年の捕手・大野の捕逸で、3点目の生還を許した。「(暴投、捕逸の)どっちもしょうがなかった」と寛容に消化し、仕事を遂げた。「ダルさんに申し訳ない」としょげていた中田も、威風堂々と勝利の帰路に就けた。

 昨季途中で、もちろん非公認ながら「ボディービル部」をチーム内に創設した。野球に適した体づくりに関心が高い2軍調整中の菊地と共鳴。トレーニング法、適切なサプリメント摂取に食事法など、注意喚起し合って高めている。現在は、ややコンディション不良だが「もう1試合くらい投げれば良くなる」との確信も得た一戦につなげた。強い肉体には、強い精神力が宿る-。ダルビッシュが完全無欠の心身で魅了する、驚異の進撃は続く。【高山通史】