<ヤクルト8-2阪神>◇13日◇神宮

 暑いし、打たれるし、負けるし…。3ゲーム差接近を狙った阪神が首位ヤクルトに大敗した。不快指数100%の展開に、クレイグ・ブラゼル内野手(31)も暴発寸前でハーフスイングの判定にブチッ…。そりゃ、こんな負けじゃ、ストレスもたまりますわ、ブラゼルさん。仕切り直しのきょう第3戦、たまった怒りをバットに乗せて、ツバメを撃退してや~。

 覆らないと分かっていても、納得できない。顔がみるみる赤みを帯びる。ブラゼルの怒りは沸点ぎりぎりまで達していた。ホワイッ!

 バットをその場に置き、両手を広げて不満をあらわにした。「目を開けてよく見ろよ!」と言わんばかりに指で目を開くジェスチャーまで披露。しつこく三塁の本田塁審に何かを叫び続けた。退場をコールされてもおかしくないほど暴発寸前。久慈コーチになだめられながらベンチに戻ったが、鼻息は荒いままだった。

 6回2死一、二塁。3球目、足元に切れ込むスライダーにバットを止めたつもりだったが判定は空振り。直前の新井もハーフスイングをとられて空振り三振していた。

 その時点で1-8。由規も打てず、イライラが募っていても無理はなかった。「由規は変化球投手みたいだった。ボール球が多かったけど、振ってしまった」。和田打撃コーチが嘆く。

 前の打席で内野安打も、由規のバント処理をエラーしたブラゼルの不快指数は上がっていたのだろう。そして、勝ちたい気持ちが、審判に向けた咆哮(ほうこう)となって全身からはじけ出た。ベンチでは怒りを押し殺し、昨年9月9日の中日戦以来の退場は免れたが、ブラゼルには珍しいシーンだった。

 誰もが同じ思いだ。勝ちたかった。前日、首位攻防戦の初戦を4-1で快勝。ヤクルトとの直接対決は4連勝で、ゲーム差を再び4にまで詰めていた。ここ、敵地神宮で一気に詰め寄りたかった。

 が、ヤクルトに今季3戦3勝だった先発のメッセンジャーがまさかの背信投球。序盤で勝敗が決した。打線も2回に上本の3号ソロで先制したが、大量失点の前にかすんだ。

 由規には完投を許した。だが闘争心が試合中に消えゆくことはなかった。6回には1死から平野が三塁ゴロで一塁に頭から飛び込んで、内野安打をもぎ取った。8回、鳥谷が2死一塁から左中間に二塁打を放ち2点目を奪った。鳥谷が打点を挙げた試合は13連勝中だったが、黒星と引き換えに、次なる戦いへのゴングを鳴らした。選手会長はきっぱりと言った。

 「負けた分はもう帰ってこない。切り替えて、取り返したい。何とか明日の試合を取りに行きたい」

 1勝1敗。今日14日に第3ラウンドが待つ。神宮のファウルグラウンドを歩いてロッカールームに下がるナインは、誰も下を向いていなかった。虎党の声援と罵声をしっかり耳にした。手痛いカウンターパンチを受けた以上、きっちりやり返すのが勝負の鉄則だ。【柏原誠】