<日本ハム2-5楽天>◇24日◇札幌ドーム

 日本ハムが先制パンチを食らい、地元で手痛い連敗を喫した。先発の糸数敬作投手(26)が初回から楽天打線につかまり、いきなりの4失点。前回ロッテ戦でプロ初完封の右腕が3回7安打5失点KOと誤算だった。打線も5安打2得点と低調に終わり、首位ソフトバンクとのゲーム差が再び4に広がった。

 勝利だけを目指し、選手が懸命に汗を流した3時間2分。だが、スタンドを沸かせたのが、多田野が投じた超スローボールと、ダルビッシュがコールされた予告先発の発表だけでは、あまりに寂しい。見せ場すらつくれず、楽天戦では今季初めての連敗。梨田昌孝監督(58)は「ウチらしい野球ができていないのが残念」と、苦虫をかみつぶした。

 最初の攻撃が始まる前から、大きなハンディを背負った。前回登板でプロ初完封勝利を飾っていた糸数が1回、松井稼の右前打と2つの四死球で1死満塁のピンチを背負うと、横川、ガルシア、中村に3連続適時打を浴びて一挙に4点を失った。梨田監督は「4失点は重かった。大きすぎました」。1週間前とは別人のように制球を乱し、3回5失点で早々と降板。「四球、死球で大量失点になってしまう。状態は悪くなかったんですけど…。前半で流れを悪くしてしまい、申し訳ない気持ちです」と肩を落とした。

 すでに2ケタ勝利を挙げているダルビッシュ、ケッペル、ウルフに加え、9勝の武田勝を含めた4本の柱は安定。だが5、6番手を担う先発投手に苦しんでいる。糸数は試合後、2軍降格が決定した。

 21日に2ゲームまで詰めた首位ソフトバンクとの差も、3日間で再び4に広がった。「こっちが負けて向こうが勝てば、離れるのは当然。それは今は気にしていない」。指揮官はいつもと変わらず先を見据えたが、残りは46試合。ゴールテープは、少しずつ近づいている。【本間翼】