<巨人4-3阪神>◇11日◇東京ドーム

 希望の放物線だった。阪神新井貴浩内野手(34)は打球の方向を見つめるとすぐに確信を持って一塁に走りだした。「自分のスイングができました」。手に残る好感触は、次の試合につないでいかなければならない。

 2-2と同点に追いつかれた直後の6回だった。流動的だった試合の流れが巨人に傾きかけていた。相手投手は左腕高木に代わった。1死。新井は2ボール1ストライクから4球目を振りにいった。内角に切れ込む131キロのカットボールに対し、バットを体に巻き付けるようにスイング。芯を食った打球は左翼席中段に飛び込んだ。

 9月30日の中日戦以来、10試合ぶりの16号ソロ。3-2と勝ち越し。4番の1発で勢いづいたかに思えたが…。その後追加点を奪えず、9回に悲劇の結末を迎えてしまった。

 自己記録更新中の連続試合安打は18試合に伸びた。勝負の13連戦の8試合目。心身ともに疲労はたまっているが、態度に決して出さない。ポリシーがある。144試合どんな状況で迎える試合でも全力を出し切ること。シンプルだが、プレー中、頭にはこの1点しかない。その積み重ねが連続試合安打につながっている。

 「1試合1試合と思ってやっている」。帰りの通路を歩く新井は険しい表情を崩さずに言った。負けるたび状況は厳しくなるのは事実。でも、手を抜くことや白旗を揚げることだけは、絶対にしないと約束できる。【柏原誠】