<横浜0-10阪神>◇13日◇横浜
こんな勝ち方ができるなら何でもっと早く…なんて愚痴はやめときましょう。阪神が3カ月ぶりの2ケタ得点で、横浜に快勝です。阪神4番新井貴浩内野手(34)が4安打4打点。広島栗原をかわし、89打点でリーグトップに躍り出ました。連続試合安打も「20」に更新。明日15日にもCS出場が完全消滅する状況の中、奇跡を信じて進め~!
眼光鋭く、マウンドの三浦をにらみつけた。失意の敗戦から1日。新井は何も変わっていなかった。むしろ、一層の気合を込めて打席に入っているように見えた。まだ、あきらめていない。本気だ。
「いつも負けられないと思ってやっている。まだクライマックス(シリーズ)の可能性が残っている。最後までね。可能性があるわけだから」
モチベーションの高さは打球に表れた。2回。低めに沈むスライダーを強振すると、打球は高々とセンター左まで届いた。先制の17号ソロ。「先に試合を動かせたのはよかったです」。今季初先発の小嶋に先制点をプレゼントし、チームに勢いをつけた。
いったん火が着くと手がつけられない。3回は2死二、三塁で右前に2点適時打。さらに、6回2死一、二塁でも右前にタイムリーを打ち返した。
バットを振るたびに得点をたたき出し、しめて4打点の荒稼ぎ。1試合4打点以上は今季2度目。一気に89打点まで伸ばし、2差で追っていた広島栗原に逆に2差をつけ、リーグトップに立った。残り試合数は10。広島は7。初の打点タイトルへの視界が開けた。
シーズン終盤に個人タイトルがクローズアップされることを嫌う。元同僚の栗原を抜いたことにも「そうなの、という感じ。意識していない。それを目標に今、やっていないから」。だが新井の活躍はそのままチームの爆発力に直結する。2ケタ得点は7月17日の横浜戦以来。その試合でも新井は満塁弾を含む5打点を挙げている。
8回の右前打で今季初の4安打のおまけもついた。自己記録を伸ばし続ける連続試合安打も「20」に到達した。巨人に2連続サヨナラ負けというショックを吹き飛ばすような爆発ぶりだった。8回には一塁の守備で筒香の打球を横っ跳びでつかんでアウトにした。
CS進出を逃せば、真弓監督が辞任する。それでも「試合に入ったら集中しているから。最後まで戦う姿勢を出したい」。雑音に惑わされず、通常通り1試合、1打席に集中する。あらためて心に誓った。
目標を見失いそうな状況だが、続きがある。新井が、阪神ナインが示したように、奇跡を起こす権利は全力で戦い抜いた者だけに与えられる。【柏原誠】



