<ヤクルト1-10阪神>◇14日◇神宮
やまない雨はない!?
自力でのCS進出が消滅している阪神が2位ヤクルトを圧倒した。6回に2度の雨天中断を挟みながら大量6得点。コールドが宣告されればドローで試合成立の窮地を乗り越え、3位巨人との3・5ゲーム差を保った。依然として勝ち続けるしかない状況だが、6連敗中だった神宮球場で意地の猛攻。関東8連戦を5勝3敗で終え、甲子園に戻る。
今季最後の神宮。いや、もう1度この場所で戦える可能性はかすかに残っている。CSがある-。6連敗中だった因縁の神宮で、14安打10得点と豪快にヤクルトにリベンジした。
「まだまだいけるぞ~!
クライマックスに行ってくれ~!」
あらぬ限りの罵声を浴びてきた帰りのファウルゾーンで、東京の虎党から温かい声が飛んだ。
もう1敗もできない阪神を、天は見捨てなかった。6回。雨脚が強まり、場内に霧が充満しはじめた。雨はヤクルト投手陣の指先の感覚を狂わせた。先頭鳥谷敬内野手(30)が二塁打で出塁すると試合が動き始めた。好投を続けてきた村中は新井に四球。クレイグ・ブラゼル内野手(31)は甘い直球を左中間にはじき返した。均衡を破る先制の1点だ。
「2ボールから真ん中付近が来るとイメージしていたら、うまく打てた」
雨が強まっていく。マートンは浮いたボール球を見極めて四球を選んだ。無死満塁。ここで笠原球審が試合を止めた。15分間の中断。再開と同時に投手も押本に交代したが、運も流れも阪神にあった。右腕は制球が定まらない。2死満塁で代打桧山が押し出し四球。平野は走者一掃の三塁打。5得点とたたみかけた。
「桧山さんが粘って四球を選んで、追加点を取ってくれた。そのあとだから早めにストライクを投げてくると思いながら、絶対に走者をかえすという強い気持ちでいきました」。雨の中、三塁まで疾走した平野はそう振り返った。
しかし、直後にまた29分間の中断。今度は雨天コールドも心配される強い雨脚。この時点で打ち切られれば5回終了時のスコアが採用される。つまり0-0…。真弓監督は「あのまま終わったら引き分けになってしまうので」と心配そうに空を見つめた。
祈りが届いたか、雨はあがった。勢いは衰えず2戦連続2ケタ得点の快勝を飾った。もちろん、雨だけが勝因ではない。6回の攻撃前に円陣を組み、村中対策を練った。先頭鳥谷は中堅右への安打で積極的に二塁を陥れた。2点目の押し出しを選んだ桧山は、5回まで無失点と好投してきた久保の代打。真弓監督の勝利にかける執念も実った。
指揮官はCS進出を逃した場合の辞任を決めている。3位巨人とは3・5ゲーム差で変わらず、状況は依然絶望的だが、まだ希望は残されている。15日から13日ぶりに甲子園に戻って広島2連戦。144試合目まで戦い続ける姿を本拠地のファンに見せる。【柏原誠】



