<フェニックスリーグ:日本ハム2-5阪神>◇20日◇宮崎・生目の杜第二

 クライマックスシリーズ(CS)に臨む日本ハムに黄信号!?

 左かかと付近の骨折から、CSでの完全復活が見込まれている田中賢介内野手(30)がフェニックスリーグ阪神戦に「1番二塁」で出場した。しかし、状態が思わしくなく、5回で交代を直訴。チームにとってCSを戦い抜く上では欠かせない存在だけに、今後の回復ぶりが心配される事態となった。

 時折小雨がぱらつく、どんよりとした空模様と同じように、田中の心も沈んでいた。「急ピッチでやってきたけど、思うようにいかない」。6月18日広島戦(マツダ)で左かかと付近を骨折。手術を経て、CSでの完全復活を目指してきたチームの要が、思わず不安を口にした。

 宮崎市内で行われたフェニックスリーグ阪神戦。「1番二塁」で先発出場したが、5回の攻撃が終わったところで五十嵐2軍監督に交代を申し出た。「調子が悪かった。足の状態があまり良くない。痛みがあったので…」。アイシング治療後、場所を室内練習場に移して1人黙々と打撃練習を行ったが、表情は晴れなかった。

 「朝起きた時からおかしかった。一進一退が続いている感じ」。前クールでフルイニング出場を果たすなど、これまで順調に回復してきたかに見えた。短期決戦のCSを勝ち抜く上で、技術的にも精神的にも欠かせない存在。本人は「守れなければ意味がない」と言うが、どんな形でもベンチに置いておきたいというのが首脳陣の本音だろう。

 予定では26日に1軍メンバーとして札幌へ戻る。「チームに貢献できれば何でもいい。ただ、今日の感じだと難しいかな。頑張ります」。思うように守れない、走れない。武器を生かせず、もどかしい気持ちと闘う日々。CSに間に合わないとなれば、シーズン終盤、得点力不足にあえいだチームにとっては大きな痛手となる。【中島宙恵】