<広島2-1中日>◇20日◇マツダスタジアム
落合竜がCSに向けてしたたかに準備を開始した。広島にサヨナラ負けした今季最終戦。落合博満監督(57)は中継ぎ久本祐一投手(32)を4年ぶりの先発で起用した。フェニックスリーグから急きょ呼び寄せた若手投手陣を次々とテストし、日本一を目指すポストシーズンに備えた。
ただの消化試合ではなかった。落合監督はバスへと続く短い通路で満足そうな笑みを浮かべていた。
「無事終了だな。これから大一番が待っている」。シーズン144試合目。9回に左の柱チェンがサヨナラ打を浴びたが、そんなことは指揮官にとって重要ではなかった。
ポストシーズンの準備が静かに始まった。先発には久本を起用。07年4月25日広島戦(ナゴヤドーム)以来、実に4年半ぶりの先発マウンドだ。
「優勝が決まった日に言われた。どこでも投げられるような投手になりたい。もちろん(CSも)言われたところでいく」
3回を2安打無失点に抑えた左腕は目を輝かせた。CSファイナルでは巨人との対戦も十分考えられる。阿部、高橋由ら左打者が並ぶ巨人対策として、久本の先発待機があるかもしれない。
準備はこれだけではなかった。宮崎で行われている教育リーグに参加していた矢地、小熊、小川の3投手をわざわざ広島まで呼び寄せて登板させた。2年目小川はプロ初登板。大舞台でも使えるのか、それとも使えないのか。ベンチから冷静な目でマウンドを見つめた。CS初戦まで中13日。空白期間を問われた指揮官は、うっすらと笑みを浮かべた。
「そんなにあるのか。オレより計算早いな」
冗談交じりで切り替えしたが、その頭の中では日本一へのシナリオが着々とつづられているはずだ。【桝井聡】



