<ソフトバンク0-14日本ハム>◇11日◇北九州

 ソフトバンクが北九州で屈辱的な惨敗を喫した。日本ハムに一方的にやられて連勝は5でストップ。先発レニエル・ピント投手(29)が制球を乱して3回持たず6失点KOされると、2番手巽真悟投手(25)も8失点。試合後、両投手の2軍降格が決まり、投手陣の再編を迫られる事態に陥った。

 今季初開催の北九州には、5連勝の勢いを見ようと満員1万6546人が集まった。しかし、いいところなしの惨敗。一番球場が盛り上がったのは4回の明石、内川の連続安打の場面だけと、レトロな雰囲気を残す球場で弱小だった平和台時代にタイムスリップしたような試合だった。

 「自滅でしたな。自滅だよ。自滅、自滅」と秋山幸二監督(50)が嘆くように、投手陣が誤算だった。「狙ったところに球がいかなかった。高めにいってしまった」と、2回にピントが制球難を露呈。2点先制されたあと連続四球を出し、さらに田中に右前2点適時打を浴びた。3回途中に2人の走者を残し降板。2番手巽も流れを止められず8失点。稲葉に右翼へ満塁弾、左翼へ3ランと、両翼92メートルのギリギリに運ばれる2発を浴び、球場の狭さに泣かされたが「力不足です」と肩を落とした。

 ピントはメジャーでは救援専門で、来日後、先発に転向した。5日の楽天戦(Kスタ宮城)で初勝利を挙げたが斉藤コーチが「投球の勉強、テンポ、リズム、状況判断…。力を抜きながら投げることができない。計算が立ちにくい」と話すように、制球力だけでなく、先発として課題が多い。試合後、ピントと巽の2軍落ちが決定。投手陣を再編することになった。

 2軍では、西武からFAで獲得した帆足、登板間隔を開けている新垣らが準備を進める。今日12日には、右肩痛で離脱し、再来日未定のペニーに代わり大隣が先発。11試合で完投が新垣の1試合だけと、先発が長い回をもたない影響から、2番手巽が3回2/3で102球を投げ、救援陣を温存しなければならなかった。

 連勝は5で止まったが、まだ貯金は5もある。惨敗を区切りに、投手を再編成し再加速する。【石橋隆雄】

 ▼ソフトバンクの14点差以上負けは、10年3月26日オリックス戦の1-16以来。2桁失点での完封負けは10年7月11日ロッテ戦の0-11以来で、いずれも福岡ヤフードーム。