<ヤクルト10-4阪神>◇26日◇神宮

 ヤクルトの「CS1番」は、売り出し中の雄平外野手(28)で決まりだ。第1打席の初球、142キロ直球を中前に運ぶ。「狙い球じゃなかったんですけど、振っちゃいました。本当はいけないんですけど」と苦笑い。体が自然に反応し、はじき返した。チームに勢いを呼び込む1本が、今季最多タイ18安打猛攻のスタートだった。

 野手転向3年目、過去2年間は1軍安打0だった男が、大ブレーク。第2、第3打席も中前打、無死一塁で迎えた第5打席は引っ張って右前に運び、無死一、三塁とチャンスを広げた。今季2度目の4安打で2度目のお立ち台。1日に2カ月半ぶりに1軍昇格すると、1番で15試合に出場して62打数24安打、3割8分7厘の高打率だ。

 小川監督は「1軍に戻って来た時は打率1割台だったのに、ここまで上げるとは。いい経験をしている」と言った。CS進出を決めた場合の「1番雄平」について、伊勢総合コーチは「使うよ。使いますよ」と、お墨付きを与えた。

 50メートル5秒台の俊足に、投手時代は最速154キロを誇った強肩。身体能力は高いが、ポカが多い。それが雄平評だった。巨人が優勝を決めた21日は、9回2死から一塁走者となったが、次打者田中の2ストライク目を三振と勘違いして飛び出しアウトになった。珍しい優勝決定にへこみながら、翌日は左翼フェンス直撃2点二塁打と、しっかり結果を出す。打ち続けることで、周囲の見方も変化した。

 これでCS進出マジックを2とし、今日27日にも2年連続の出場が決まる。ブルワーズ入りした青木が抜けた「1番中堅」がテーマだったシーズンで、ミレッジ、上田らがケガで離脱する中、最後につかんだのは雄平だった。「出ているからには、絶対に勝つという気持ちでやってます。しっかり決めたい」と言った。【前田祐輔】

 ◆雄平(ゆうへい。本名・高井雄平)1984年(昭59)6月25日、神奈川県生まれ。東北高2年春にセンバツ出場。02年ヤクルト入団。通算18勝19敗と伸び悩み、10年から外野手転向。登録名を雄平にした昨季はイースタン・リーグ2位の打率3割3分。175センチ、82キロ。左投げ左打ち。家族は夫人と1女。