ヤクルトが来秋ドラフト1位候補として、桐光学園(神奈川)の「ドクターK」松井裕樹投手(2年)をリストアップしたことが2日、分かった。この日、ドラフト6位の国学院大・谷内亮太内野手(21=金沢西)と仮契約を交わし、指名全7選手との契約を終えた。球団関係者は「来年の筆頭候補になる」と、最上位に位置付けた。

 今夏の甲子園で1試合22奪三振の大会新を打ち立てた実力はもちろん、来季は関東圏の選手獲得を目指すチーム方針がある。チーム名に「東京」を冠しながら、関東の目玉選手は07年の慶大・加藤幹典投手(今季戦力外)を最後に獲得できていない。今年のドラフト1位は秋田出身のヤマハ・石山泰稚投手(24=東北福祉大)。同関係者は「関東の選手は重点的に見ていこうという話もした」と言う。実力プラス人気面を考えて、より本拠地神宮に近いスター候補の獲得は球団のテーマになっている。

 秋季神奈川県大会準々決勝で敗退し、センバツ出場を逃した。さらなるレベルアップを求めて厳しい練習を積んでいる。最速147キロの直球に、切れ味鋭いスライダーは超高校級。球団はすでに来年のドラフト1位は、即戦力投手を指名する方針を固めている。他の候補選手も並行して調査を進めながら、松井への密着マークを続けていく。