来季から兼任コーチとなる日本ハム稲葉篤紀内野手(40)が、ドラフト1位で入団する花巻東・大谷翔平投手(18)の夢へ向かう“アドバイザー”になる。栗山英樹監督(51)からはすでに指導を依頼されているが、技術以外にも、球界での生き方や、ゆくゆくは国際経験の知識なども植え付けていく考え。14日(日本時間15日)は名球会ゴルフに参加した兼任コーチが、大物ルーキーの「夢への道しるべ」をサポートしていく。

 名球会の王理事長と同組でゴルフを楽しみ、周囲には大先輩がズラリ。恐縮しきりの稲葉は「(名球会では)新人だから。ちょっとはお近づきになれたかな」と体を小さくしたが、チームに入ってくる正真正銘の新人・大谷には、“アドバイザー”となって全面サポートすることを約束した。「どこまで見られるかはわからないけど、サポートをしたい。(来季からコーチ兼任で)声をかけやすくはなると思うから」。積極的にコミュニケーションをはかるつもりでいる。

 ハワイ到着後、栗山監督から「二刀流でやらせるから、頼むな」とすでに声を掛けられている。今季4番でフル出場した中田とマンツーマンで居残り練習を積むなど、すでに首脳陣からの信頼は厚いが、来季以降はさらにその役目を期待されている。「打撃コーチの渡辺さんもいるので」と、出しゃばるつもりはないが、気がついたことはアドバイスしていく考えだ。

 さらに、将来的なメジャー挑戦を夢に持つ大谷にとって、稲葉は技術指導以外にも頼りになる。04年オフ、メジャー挑戦を目指してFA宣言。契約にこぎつけることはできなかったが、現地のトレーニング施設で汗を流した。09年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、ドジャースの本拠地・ドジャースタジアムで、ジーターらメジャーリーガーと対決した経験を持つ。来年2月のWBC日本代表・侍ジャパンの候補メンバーでもあり「そういうことを話す場面になれば、話をしたい。でもまずは、プロ野球というのがこういうところだと、1年かけて知るということが大事だと思う」。日本球界でのし上がっていくために助言をしながら、ゆくゆくは自身の豊富な国際経験を伝えていく。

 来年1月中旬から始まる新人合同自主トレ(千葉・鎌ケ谷)に合わせ、第1回のスタッフ会議が予定され、大谷とはそこで初対面となる。「(投打)両方で名球会に入ったらすごいよね」。対面前から、大きな期待を寄せている。