松井秀喜外野手(38)が27日(日本時間28日午前7時)、ニューヨーク市内のホテルで記者会見し、現役引退を表明した。

 巨人は、松井を将来の指導者として待ち受ける態勢が整っている。巨人桃井恒和社長(66)と原沢敦GM(56)は27日午前、松井から去就報告の有無について「何も聞いていません」と異口同音に話した。選手としての復帰を希望していただけに、現役引退は受け入れがたい心境を示した。ただし、現役引退が正式に決まれば、渡辺恒雄会長(86)を頂点とする読売グループによる、「指導者・松井」招聘(しょうへい)の動きが始まることになる。

 桃井社長はこの日朝、東京・大手町の球団事務所で取材に応じ、松井からの連絡はないと話した。さらに、引退した場合、指導者として受け入れる意向を聞かれると「来年は難しいよ。先の話だよね。まあ、本人次第だけど」と答えた。すでに来年のスタッフは完成し、動き始めている。仮定の話とはいえ、組閣の練り直しは軽々に言及できない。むしろ、意味があるのは後半の発言だ。

 将来的な問題は、松井の意向を最優先に尊重する-。との意味にほかならない。これが、球団、さらには読売グループの共通認識と言える。

 現場を預かる原監督と球団は、チームがいかなる状況であろうとも、松井の意向を尊重することを定期的に確認している。1次、2次と合わせれば9年間という長期政権を担った原監督は、後継者の育成を常に念頭に置いている。候補の上位に松井秀喜があるのは、チームへの貢献度からみても自然なこと。もちろん松井本人の意志が前提になるが、巨人側には万全の受け入れ態勢が整っている。

 09年6月には当時の滝鼻オーナーが「近い将来、日本に戻ってくるなら、やはり巨人に帰ってきてもらいたい。それは何よりファンが望んでいる。そのときは、僕が誠意を尽くして働きたい」と話している。当時はもちろん選手としての復帰を指しているが、特別な存在と見ていることは疑いない。現オーナーの白石オーナーも滝鼻談話を踏襲する意向を示している。さらに、将来的に指導者として招聘するか否かについては「原監督と相談してだね」と前向きな意向を示していた。

 巨人は前日26日に、全選手の契約更改を終えた。あと、新外国人一塁手を1人補強する予定で、支配下登録選手は68人となる。70人枠に2人余らせてあるのは、緊急補強に備えた1人と松井のため。それだけに、現役引退は球団にとっては衝撃的な事態。巨人の次なる夢は、指導者としてのゴジラ復帰となる。松井が振り向いてくれるのを待つばかりだ。