虎が変わった!
3年ぶりに日本球界復帰した阪神の西岡剛内野手(28=ツインズ)が、沖縄・宜野座キャンプ初の紅白戦で絶妙なセーフティーバントを決めた。「1番二塁」で第1打席の初球を三塁前へ。得点力アップへ「機動力」を掲げる和田豊監督(50)も、革命のにおいに思わずニンマリ。巨人偵察隊はライバル変身の予感にブルッ…。
鮮やかな「ごあいさつ」だった。猛虎復活のキーマンが、いきなりナインとファンを魅了した。1回裏、左打席の西岡はヘルメットの奥から目を光らせた。三塁コンラッドは定位置よりやや前。いける-。メッセンジャーの1球目直球にバットを傾けて、打球を殺した。素早く反応した新外国人をあざ笑うかのように、一気に一塁を駆け抜けた。
西岡
うまくできましたね。特にいい投手の場合は初回が一番大事ですから。メッセはいい投手ですし、そういうことを常に考えていますね。
スタンドは「うお~」と、どよめいた。しばらくしてから拍手の嵐。2年連続2桁勝利の右腕にダメージ抜群の、セーフティーバントだった。
「西岡革命」は、それだけじゃなかった。2番大和も続いた。2球目を一塁方向へプッシュバント。ノーサインだった。結果的に送りバントになったが、序盤から相手を揺さぶる形。巨人007もしかめっ面を浮かべた。
三井統括ディレクター
嫌だよね。いきなりああいうところを見せられると。ああいうのがあると打線に厚みが増してくる。
森中スコアラー
1、2番は要注意。ここ数年はなかった采配面の動きが出ている。あの1、2番ならワンヒットで(本塁へ)かえってくる。相当神経を使う。
ニンマリしたのは和田監督だった。昨季は12球団最低の得点力が影響し、5位に沈んだ。巻き返しの鍵に掲げるのが機動力野球。リードオフマン西岡が、理想を具体化してくれるキーマンだ。
和田監督
さすがだね。隙あらばと。技術的にもうまいし洞察力も高い。他球団も警戒してくると、ポジションが浅くなってヒットゾーンも広くなる。大和や上本も見習って、取り入れてほしい。西岡だけじゃなく、チームにとっても大きなバント。ヒントを与えてくれるし相乗効果がある。
今日14日からWBC日本代表候補合宿で離脱する鳥谷とは、流れるような連係で2度の併殺を完成させた。「最後に鳥谷さんとそういうプレーができて良かった」。虎のTNネットワークも不安なし。高校の後輩、藤浪と帰りのタクシーに乗り込んだ背番号7の背中が、たくましく見えた。西岡こそ、虎を変えてくれる男だ。【近間康隆】



