<巨人17-1DeNA>◇24日◇京セラドーム大阪

 巨人杉内俊哉投手(32)が天敵封じで圧勝へと導いた。5試合連続本塁打中だったDeNAブランコを3打席連続三振に仕留め、得点源を封じた。7回4安打10奪三振で今季2勝目をマーク。打線も阿部の6号ソロ、寺内の1号3ランで21安打17得点と爆発。1試合17得点は05年以来8年ぶり、統一球導入後は初めてという快挙で首位独走だ。

 巨人が年間82発ペースだったハマの怪獣の穴を掘り起こした。ブランコのバットが無音化した。6回1死。杉内が外角低めにチェンジアップを投じた。空を切る音が3打席連続三振の証し。「勝負球がいい所に決まった」。投手陣のリベンジを遂げた左腕は胸を張った。

 ブランコ封じが最重要課題だった。前日23日の試合で5戦連発となる11、12号を被弾。今季対戦で3割8分5厘、3本塁打、9打点と火だるま状態だった。宮国は外角低めの直球、山口は低めスライダー。昨季までの安全コースをスタンドに運ばれていた。元来がハイボールヒッターで、9分割のチャート表では、高めに赤い危険エリアが位置していたのが、今季は低めまで、赤色が浸食していた。

 全員の英知を結集してブランコ狩りに着手した。前夜の“被害者”山口は「選球眼がすごく良くなっている。他の打者が空振りする球でも当ててくる」と危険度が増したことを実感。その上で「ボール球で勝負して、なるべくストライクを投げないようにする」と攻略法を提示した。秦バッテリーコーチも「(バット)さばきがうまくなっている。空振り、見逃しでストライクを取れていた所が解消されている。だからワイドにボール2、3個分外して攻めないと」と攻略ゾーンを広げた。

 全打席で徹底された。初回は高低、内外に全球種をちりばめて空振り三振に打ち取った。第2打席の4回はフルカウントから阿部がミットで地面をたたいて内角低めのスライダーを要求。巨人投手陣が4打席4三振に仕留めていた鉄板ゾーンだったが、ボール2、3個外す意識をミットの動きで誇張し、空振り三振を奪った。6回は3球目に体に当たりそうなインローで軸足をずらさせて、4球目にストライクゾーンぎりぎりのインローでファウルを奪うなど、石橋をたたいた。

 3打席連続三振まで、すべてフルカウント。カウントをフル活用し、同じ球種を続けずに、ボールゾーンで勝負した。フルカウントからのボール球は勇気がいる。だが橋上戦略コーチの試合前に口にした格言にチームのコンセプトが表れていた。「触らぬ神にたたりなし。四球でもいいということ。肉を切らせて骨を断つ。前後の打者を抑えればいい」。四球OKという余裕が、バッテリーの力を最大限に引き出させた。

 杉内は「走者を出すと回ってくるので怖い。でも阿部さんがいい具合に散らしてくれた」と共同作業を強調した。杉内の左腕に英知が宿り、ブランコの猛威を鎮めた。【広重竜太郎】

 ▼杉内が10三振を奪って今季2勝目。2ケタ奪三振の回数は昨年8月9日阪神戦以来通算56度目となり、工藤(西武)に並ぶ歴代4位タイに進出した。杉内は07年から6年連続で投球回を上回る奪三振を記録しているが、今年も24回1/3で25奪三振をマークしている。この日は4番ブランコから3三振を奪った。昨年の杉内は4番打者を被打率1割8分6厘に抑え込んでいたが、今年は前日まで9打数5安打、6打点の被打率5割5分6厘だった。今年やられていた4番打者をしっかり抑えて白星を挙げた。