初出場の八王子実践(西東京)が鳴門渦潮(徳島)に延長10回タイブレークの末に敗れ、創立100周年の節目の年に甲子園初勝利とはならなかった。それでも試合後、選手たちは「最後までいい顔しよう」と涙を堪えながら声をかけ合った。
5日に行われた開会式の選手宣誓で、矢沢陵磨主将(3年)が語った「いい顔をして野球をしよう」。チームの合言葉だった。河本ロバート監督(40)は「初めての甲子園でアルプスからは、大声援をいただいて本当にありがたかったですし、負けてしまいましたがいい顔で野球をやれたかなと思います」と振り返った。同校OBでドジャース傘下のマイナーリーグや独立リーグで投手として活躍した河本監督。自身が高校生だったときは届かなかった聖地に「選手のおかげで甲子園に初めて来させてもらえたので、本当に空気感も雰囲気も体験できましたし、勉強じゃなかったことがなかったといいますか、全てが勉強になりました。」と学びを口にした。
一点ビハインドの9回には2死から金子侑樹内野手(3年)が右前適時打を放ち、土壇場で同点に追いつく意地を見せた。河本監督は「金子はこっちが流れを変えたい時に、代打で結果を出してくれる子なのでそれを信じて背中を押してみました。本人もすごく引き締まったいい顔をしていました」とたたえた。
初勝利には届かなかったが足跡を残したことは間違いない。選手宣誓で印象づけた「いい顔をして野球をしよう」は他の学校の選手も口にする言葉になった。河本監督は「『いい顔』っていうのを結構使っていただいているというのは、私の耳にも入っておりまして、それは純粋にうれしいですし、この大会の全ての高校生がいい顔でプレーしてくれることが本当にうれしいです」と笑顔を見せた。
甲子園初勝利には届かなかったが「いい顔をして野球をしよう」という言葉とともに、八王子実践は聖地に確かな足跡を残した。
◆無失策試合 花巻東-新田、八王子実践-鳴門渦潮で記録。今大会1、2度目。

