右腕の張りで登録を抹消されている広島のエース前田健太投手(25)が24日、最短10日間での1軍復帰に意欲を見せた。神宮サブグラウンドで、先発を回避した20日巨人戦以来となるキャッチボールを再開した。照準は5月1日阪神戦での復帰に合わせる。左手に死球を受けた前田智徳外野手兼打撃コーチ補佐(41)の手術が決まるなど、故障者続出の非常事態。エースが負の連鎖を断ち切る。

 前田健がついに動きだした。降雨中止が決まった直後だった。ランニングメニューを終えると、グラブを持って神宮サブグラウンドのブルペンへ向かった。報道陣がシャットアウトされた空間で、4日ぶりのキャッチボールを行った。時間にして約10分。右上腕三頭筋筋膜炎からの復活へ、大きな1歩を踏み出した。

 前田健

 張りが取れたので。そろそろ始めないと、10日たったら(試合で)投げられるようにしたいので。まだ、今日はキャッチボールというか確認ですけど。長々と休んでは、いられないので。早く戻って、チームに貢献したい。

 照準に定めたのは、5月1日の阪神戦だ。最短10日間での1軍復帰から逆算しての調整を始めた。この日は9連戦の2試合目が中止となり、同戦は今日24日ヤクルト戦にスライド登板する大竹が中5日で登板することも可能となった。山内投手コーチも「無理して行かせることはない」と、最短での復帰には慎重な姿勢。ただ日々、深刻になるチーム事情が、エースの心を突き動かしているのは間違いない。

 前田健は予告先発だった20日巨人戦の試合前に、ブルペンで投球し登板回避を決定した。チームに不安が募る中、同戦で4番エルドレッドが死球を受け右第5中手骨を骨折。実戦復帰まで6~8週間と診断された。さらに、23日ヤクルト戦で死球を受け左尺骨を骨折した前田智は、手術を受けることが決まった。全治は未定だが、一般的には実戦復帰までは2~3カ月を要する。エースは非常事態の連続に一肌脱ぐ覚悟だ。

 野村監督も「投手陣はここから上がってくるだろう」と期待を寄せる。右手薬指を骨折していた今井も5月上旬に1軍に復帰するめどが立った。窮地を脱するには、エース前田健を中心とした投手陣の踏ん張りが鍵を握る。【鎌田真一郎】