<西武2-9楽天>◇27日◇西武ドーム
攻守の要が、節目の勝利に導いた。楽天嶋基宏捕手(28)が、2回2死一、二塁から左翼席へ放り込む先制の3ランを放ち、9得点の口火を切った。9得点すべてが2死からという粘りで首位西武に快勝。3連勝で3位に浮上し、球団創設9年目での通算500勝(628敗)に花を添えた。
雰囲気をがらりと変える嶋の1発だった。2回、無死一、二塁からバント失敗と三振で2死。嫌な流れだったが、西武岸の内角直球を思い切り引っ張った。先制の3ラン。「うまく振り抜けました」と、打球が左翼スタンドへ入ったのを確認すると、右拳を地面にたたきつけるように激しくガッツポーズを決めた。
節目はあくまでも節目だ。ヒーローインタビューで「楽天はもっともっと常勝軍団になっていかないといけないので、これを通過点として501勝目を目指したい」と言った。球団創設3年目からエース田中らとチームを支えてきた男が「常勝」とあえて口にした。
決意表明には固い決意があった。創設から数年、新規参入のチームをファンは温かく迎えてくれた。だが、09年のクライマックスシリーズ進出以降、3年連続でBクラスに低迷。ヤジも多く飛んだ。「心無いヤジもあった」(嶋)に、傷ついたが、正面で受け止めた。「野球を見て楽しむよりも、一緒に勝ちを味わいたいというふうになってきた」とファン心理の変化を感じ取り、勝利により貪欲になった。
意識が変わることで、行動も変わっていった。開幕直後「チームを引っ張っていく気持ちでやります」と宣言。今季は本塁打を放つと全力疾走でダイヤモンドを回る。「ネタですよ」と、パフォーマンスでも先頭に立つ。加えて「(チームに)勢いもつくでしょ」と言った。今季1号の試合は17得点、2号は9得点、この日も9得点で3戦全勝。ベンチを「いける」というムードにし、一気に明るくしている。
嶋に引っ張られるようにチームは快勝。星野監督も「2死からよう打った」と嶋の1発をたたえた。今季21打点はリーグトップタイ。嶋は「明日、明後日も首位西武が相手なので、1戦1戦勝っていきたい」と結んだ。大黒柱の気持ちは緩まない。【斎藤庸裕】



