<ロッテ5-2ソフトバンク>◇27日◇QVCマリン
ロッテ今江。ミスターダブルの復活だ。同点に追いつかれた直後の3回。1死満塁で左中間を破る走者一掃の適時二塁打を放った。二塁上でのガッツポーズも“ダブル”だった。「1度目は無意識、2度目は僕の心情を知って、ヒットを喜んでくれたベンチに向かって出しました」。感謝を込めて拳を振り上げた。
どん底だった。試合前の打率は1割9分7厘。25日・西武戦では5番で先発も、6回1死一、二塁の好機で代打を送られた。05年にはリーグトップの35二塁打を記録した「ミスターダブル」が極度のスランプに落ち込んだ。この日も2点を先制し、なお2死二塁。前打者の角中はストレートの四球。「明らかに僕で勝負かよ」と、安パイ扱いされて、心は乱れる。結果は右飛で、また落ち込んだ。
3回は1死満塁。ネクストサークルで「またチャンスかよ」と思うと、ふと口元に笑みが出た。チャンスが怖くないのは今季初めてだった。前日の特打の前、伊東監督から言われた言葉を思い出したからだった。
「お前は3球までに勝負する打者なんだから。1球目から打っていくのが、お前のスタイルなんだぞ。結果を恐れずに思い切ってやってくれ」。この言葉で、迷いと恐怖から解放された。
5回も二塁打。「外野の間を抜く。二塁打は僕のスタイルですから」。もう笑顔に陰はない。ここまでは、鈴木や根元に打の主役を譲ってきた。ゴリ今江が暴れると、ロッテの勢いは本物になる。【金子航】




