<オリックス3-2ソフトバンク>◇9日◇ほっともっと神戸

 オリックスが劇的なサヨナラ勝ちで4月13日以来の連勝だ。1点を追う9回2死一、三塁で、川端がソフトバンク・ファルケンボーグに追い込まれながら頭部死球。身をていしてつなぎ、劇的勝利の呼び水となった。最後は今季移籍加入した山本和作内野手(26)が生涯初のサヨナラ打で決め、森脇監督も興奮の白星となった。

 こんなことが再びあるのか。1点を追う9回だ。代走から左翼守備に入っていた川端に出番がきた。2死一、三塁の同点機。カウント2ストライクからファウルをはさんだ4球目、ファルケンボーグの投球が頭部を襲った。球はヘルメットのツバを直撃。川端は顔をしかめながらベンチに戻ったが、まもなく一塁へ。これで2死満塁。相手守護神は危険球で退場となり急きょ金無英が救援したが、川端の“頭魂”がつくったチャンスをナインが逃さなかった。

 続く後藤が押し出し四球を選んで同点とすると、途中出場の山本が、中前へサヨナラ打。チームも今季初のサヨナラ勝ちで4月13日以来の連勝だ。川端は「結果的につなぐことができてよかったです」と笑った。

 実は、4月29日の日本ハム戦(札幌ドーム)でも、1回に中村から頭部死球を受けたばかり。同一シーズンに2度も頭部死球を受けることはまれだ。頭部死球は選手生命に関わる危険な球だが、川端は「致命傷になっていないので、大丈夫です。いいんじゃないですか。2戦2勝ですね」と笑った。2試合ともチームが勝っていることでよしとした。

 生涯初のサヨナラ打を放った山本は、初のお立ち台で「こんなに声援をもらって最高です!」と声を震わせた。オフに東野とともに巨人から移籍。ケガに泣き、育成からはい上がった5年目が殊勲の一打に酔った。野手全員を使い切る総力戦で勝利した森脇監督も「これをきっかけに連勝しないといけない」と興奮気味だった。【高垣誠】

 ◆山本和作(やまもと・かずなお)1986年(昭61)9月21日、兵庫県生まれ。尼崎工-大経大。08年育成ドラフト3位で巨人入り。11年5月に支配下登録されたが、左膝蓋(しつがい)骨骨折で同年オフ再び育成契約に。12年7月に2度目の支配下登録。同年オフに交換トレードで、東野とともにオリックス移籍。182センチ、82キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸550万円。