<オリックス5-3日本ハム>◇11日◇京セラドーム大阪

 やっぱり超人だ。オリックス糸井嘉男外野手(31)が先制の3号決勝3ランをライトスタンドにぶち込んだ。7日に「内側側副靱帯(じんたい)損傷」と診断された右膝はまだ万全ではなく、指名打者での出場が続く。それでも3試合で2発。さらにこの一発で12球団から本塁打を記録するなど、人並み外れたエネルギーであふれている。チームは3連勝で最下位脱出。さあ、連勝街道を行こうぜ!

 バットを静かに置くと、大きなストライドで走りだした。痛めている右膝をかばうしぐさはない。1回2死一、三塁。初球の真ん中のシュートに腕を伸ばし、すくい上げた。打球は大きな放物線を描き右翼席中段へと消えた。「うまくバットにのってくれた。先制点につながってくれてよかったです」と涼しい顔で振り返った。

 ケガしているとは思えない。2安打3打点の活躍だ。3日のロッテ戦で盗塁を決めた際に、右膝を負傷した。7日に受けた診察で「内側側副靱帯(じんたい)の損傷」と診断された。決して万全の状態ではない中、6日を除いて指名打者で出場している。負傷後の打率は2割7分8厘、2本塁打。古巣撃ちのこの1本で、12球団へ本塁打をお見舞いしてみせた。

 独特のコメントや行動に注目が集まりがちだが、地道な努力を怠らない。試合前練習は1番にグラウンドに現れ、丹念に体をほぐしながら患部の状態を確認。試合後も懸命に治療し、球場を後にするのは試合終了から2時間も過ぎた後だ。試合直前までアイシングで曲がらないほど固められている右膝は、親しい関係者に「結構やばい」と漏らすほどの痛みだが、グラウンドでは決してそぶりを見せないから頼もしい。

 チームは3連勝で最下位脱出。森脇監督は「きっちりと最高の仕事をしてくれた。あの場面で3ラン以上の仕事はないわけだから」と絶賛した。エース金子にも1カ月ぶりの白星をプレゼント。ここ3試合で援護出来ず、後藤ら野手陣はチームバスの前方座席に座る金子に「すまん」とざんげしていた。その後藤が2ランを放ち、金子を援護。反撃ムードたっぷりだ。【池本泰尚】