<広島3-5中日>◇11日◇マツダスタジアム

 守道竜が今季初の3連勝で最下位を脱出した。30連勝宣言している中日高木守道監督(71)は「あと27や!」とご機嫌だ。ヒーローは荒木。打率2割台前半と不振にあえぐ男が、3試合連続の適時打だ。代打を送られたり、スタメン落ち、7年ぶり外野起用、さらには高橋周の二塁プランなどの屈辱にもメゲず。不屈の男が監督予言を実現する勢いだ。

 38試合目で初めて○○○が並んだ。投打のかみ合った快勝。「あと27や!

 減ってきとるでええやん」。守道監督はご機嫌だった。5連敗を阻止した8日のヤクルト戦の夜「30連勝しそうな気がする」と夢を口にしてから3連勝。まだ道のりは10分の1だが、本人が一番まんざらではない。12日ぶりに5位浮上の話題には「最下位脱出したの?」と聞き返し「ヨシッ!」と気合を入れた。

 「荒木にもああいうヒットが出るようになったからね」。指揮官も目を細めるのが荒木の復調だ。1点リードの2回2死一、二塁。「集中していた」ベテランがバリントンの変化球を左前に運び、2点目を入れた。決勝打、決勝打、中押し打と今季初の3戦連続タイムリー。ヒットは1試合1本ずつだが、すべてが価値ある適時打だ。

 今季は開幕から大不振。8番に降格され、代打を送られたり。スタメン二塁は本職でない森野に奪われ、7年ぶりの外野守備…。その上、高橋周にも二塁指令が下るなど、試練は数え知れない。

 「モヤモヤはあります。でもどんなに厳しい状況でも、ダメだとあきらめたら、その時点で終わってしまう。僕は今できることをやらないといけないんです」

 守道監督の“愛のムチ”を糧に、早出や居残りなどプライドをかなぐり捨てて出口を探した。無我夢中でスイングを重ねるうちに、やっと光が見えてきた。この日2回の適時打後、彦野打撃コーチがナインにゲキを飛ばしていた。「トラ(荒木)を見習って、腹をくくって初球から打っていけ」。広島投手陣攻略へ有形無形の力となった。

 「でもまだストライクの見逃しが多いわ。でないと本当に上がってこん」。注文の多い守道監督は、さらなる高みを求めた。荒木も「まだまだです」と分かっている。完全復活=チームの浮上。今、その雰囲気は十分にある。【松井清員】