<ロッテ5-4楽天>◇12日◇QVCマリン
最後まで諦めない。楽天は今季初のサヨナラ負けを喫したが、終盤で首位ロッテを追い詰めた。10日に決勝の逆転打を放った藤田一也内野手(30)が、この日も同点適時打を含む2安打2打点の活躍。9回には嶋基宏捕手(28)の適時打で一時は勝ち越した。守護神青山浩二投手(29)が1点リードを守れず、連勝は6で止まったが、粘り強い打線は明日14日から始まる交流戦へ明るい材料だ。
とにかく食い下がる。まずは1点を追う8回だ。2死一、三塁から藤田が同点打。こん身のガッツポーズにチームメートもベンチから総出で喜んだ。さらに9回2死一、二塁から嶋が勝ち越しの適時打。まるでサヨナラ勝ちのような盛り上がりに、星野仙一監督(66)も頭上で手をたたいた。「いい粘りしとったな」。青山の抑え失敗で痛い敗戦のはずだが、同監督は穏やかな表情で打線の粘り腰をたたえた。
6回までに3点リードされたが、徐々に追い上げ首位ロッテを追い詰めた。昨季、先取点を取られた試合は19勝44敗2分け。今季も先制すれば大勝、先制されると大敗というパターンが目立っていた。だが星野監督も「打線に粘りは出てきたな」と認めるように、底力が見えてきた。
その中心にいるのが藤田と嶋だ。藤田は10日の試合で9回に逆転の3点二塁打を放った。この日も2打点の活躍に「たまたまです」と謙遜したが、チームの雰囲気については「最後まで諦めないという感じがあります」と振り返った。昨年DeNAから移籍して2年目。ほぼ“新米”だが、遠征先では美馬ら若手投手陣、ベテラン小山伸らとも積極的に食事に出掛ける。人見知りしない明るさで、生え抜き選手のようにチームに溶け込んでいる。
手助けをしたのが嶋だった。藤田の移籍当初から本拠地の仙台でも外食をともにした。新天地で不安もある2学年上の先輩に対し、チームの大黒柱として思いやった。藤田は「(チームに)入りやすかったですね。感謝してます」と今でもありがたみを感じている。
攻守の中心選手がつないで土壇場まで粘った。守護神が打たれ、今季初のサヨナラ負けを喫したが、明日14日からは交流戦が控えている。初戦の相手は勢いのある中畑DeNA。古巣相手に藤田は「楽しみです。いい活躍をしたい」。気持ちはもう切り替わっている。【斎藤庸裕】



