<ヤクルト2-4阪神>◇12日◇松山

 コツコツ積み重ねた代打の打点がついに大台に達した。代打の神様・阪神桧山進次郎外野手(43)も6連勝に貢献した。1点差に追い上げられた9回、1死満塁で登場。前進守備の二塁後方へ落とす右前適時打で貴重な1点をもたらした。これで通算代打打点は100、安打も150に到達。神のバットがまた勲章を手にした。

 「代打の神様」が区切りの記録に達した。ベテラン桧山が勝負の流れをたぐり寄せた。1点差に迫られた9回1死満塁で代打起用される。ロマンとの直球勝負。追い込まれ、4球目の内角直球に詰まらされた。それでも、振り切った分だけ白球は前に飛ぶ。

 フラフラと上がった打球は前進守備を敷くヤクルト二塁田中浩の頭上を越え、右前にポトリと落ちた。渋い適時打で2点差に拡大。代打のスペシャリストの面目躍如だ。「詰まってグシャッという感じだった。こういうヒットもないとね。能見も踏ん張っていたから何とかしたかった」と笑う。

 プロ22年目、43歳のベテランも、しっかり6連勝の歯車に組み込まれる。5月8日巨人戦(東京ドーム)の延長12回に右翼線へ決勝打。昨年8月23日の中日戦以降は22打席、音なしだった。今季初ヒットだった、この殊勲打でチームの勢いは加速した。4日ぶりの出場で、2打席連続の快音を発し、代打安打も通算150とした。球団の代打通算打点はすでにトップ。この日は代打で100打点に達し、節目の数字にも冷静だ。

 「やっているときは気にならないけど、終わったときに、いろいろ考えるかもしれないね」

 ひと振りに生きざまを込めてきた。動体視力を維持するため、フリー打撃ではナインよりも投手寄りに立ってスイング。今季、甲子園で出場機会がないときでもロッカーに残って素振りを行い、大粒の汗を流して引き揚げたこともある。まだまだ意気盛んだ。2度の優勝を経験した百戦錬磨の熟練者がチームの精神的な支えになる。【酒井俊作】