<日本ハム2-1巨人>◇20日◇札幌ドーム
迷いのないスイングから放った移籍1号は、勝負を決める一打となった。日本ハム大引啓次内野手(28)が7回、決勝ソロを左翼席へ。巨人杉内が投じた内角低めのスライダーにバットを合わせた。杉内との通算対戦打率は4割超えている。「素晴らしい投手だとは思うけど、苦手意識はない。力のある真っすぐだと押し込まれると思ったので、打つなら変化球。自信を持って、全ての打席に立てた」。深い洞察力とパンチ力が合わさった、名刺代わりの1発だった。
春季キャンプ直前、木佐貫とともにオリックスからトレードで電撃移籍。“守備職人”のイメージが強かったが、栗山監督が期待したのは「強打者、大引」の才能開花だった。「どこかであった、打てなくてもいいという思いを払拭(ふっしょく)してくれた」。
だが、思うように打てず、チームも最下位に低迷。「僕は必要なかったんじゃないかと自問自答したこともあった」という。「夢だった」という移籍後初のお立ち台。神社の息子らしく、きびきびとした一礼でファンに感謝した。「調子をどんどん上げて、必ず優勝争いに絡んでいく」。日本ハムの新しい背番号7。大歓声の中で、生真面目な男の目が、かすかに潤んでいた。【中島宙恵】



