<ソフトバンク10-4中日>◇20日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクの新外国人右腕ヴィセンテ・パディーヤ投手(35)が来日初勝利を挙げた。4回に和田に満塁本塁打を浴びたが、6回3安打4失点。最速151キロの直球と沈む変化球で91球、6回を投げきった。「全体的にはよかった。勝己(山崎)もサポートしてくれた。(大量援護の)野手にも感謝します。チームが勝てたことが一番うれしい」と、ウイニングボールを笑顔で手にした。

 メジャー通算108勝の実績を引っさげ入団。開幕ローテーション入りも、初登板4月4日西武戦では5回3失点で初黒星。右腕の前腕部の張りを訴え、戦線離脱を強いられた。米国では通算109死球で乱闘騒ぎを度々起こし「ぶつけ屋」、「クラブハウスのガン」などとやゆされたこともある。球団にとっては昨年、メジャー通算119勝で入団したペニーがわずか1試合登板で帰国した過去もあるだけに、悪夢再来すら心配された。だが、パディーヤ本人は、1軍復帰へ真摯(しんし)に練習に取り組んできた。4月30日には3軍で、9日には2軍で登板し、いずれも敗戦。今季、1~3軍すべてで黒星がついているのはパディーヤだけ。底辺から再び大舞台に戻ってきた証しだった。

 南米ニカラグアの出身。幼少のころは内戦状態。7人兄弟の長男として貧しい時代を生き抜いた。今ではメジャー通算245勝右腕のデニス・マルチネスと並び国の英雄。この日、遠い日本で挙げた勝利のニュースも地元で大きく報じられるはずだ。

 秋山監督は「次もあるでしょう」と次回登板へ期待した。鋭い眼光、ウエットヘアスタイル、ワイシャツのボタンを止めず分厚い胸板がばっちり見える独特の着こなし…。ワイルドな助っ人が、暑くなり本領を発揮し始めた。【石橋隆雄】

 ◆ヴィセンテ・パディーヤ

 1977年9月27日、ニカラグア生まれ。99年にダイヤモンドバックスでメジャーデビュー。フィリーズ移籍後の02年14勝で球宴出場。03年も14勝。レンジャーズ移籍後、06年に自己最多15勝。昨季は救援で56試合登板。183センチ、104キロ。右投げ右打ち。今季年俸は2億6100万円(金額は推定)。