漫画界も晋ちゃんに熱視線!!

 阪神藤浪晋太郎投手(19)が小学館の漫画誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載中の人気野球漫画「ラストイニング」でモデルとして起用されていることが27日、分かった。大阪の強豪校エース藤村として描かれており、沖縄・宜野座キャンプ中には、作画を担当する漫画家・中原裕氏が藤浪を直撃インタビューした。この模様は4月7日発売号の同誌に掲載予定。中原氏は2年目右腕にエールを送った。

 2年目のステップアップへ、藤浪への期待は増す一方だ。漫画界では“モデルデビュー”していることが判明した。「週刊ビッグコミックスピリッツ」に04年から連載中の「ラストイニング」に登場している大阪代表・難波南洋のエース藤村は、藤浪をモチーフにしているという。作画担当の漫画家・中原裕氏は言う。

 「藤浪投手のダイナミックな投球フォームをモデルにして、敵チームのエースで背が高く150キロを投げる投手として描きました。大阪の高校で向かうところ敵なしといえば、藤浪投手ですから」

 藤浪は春夏連覇した高校時代の実績通りに昨季、10勝。「ラストイニング」は夏の甲子園で激闘するサイガク野球部を描き、準決勝で立ちはだかるのが藤浪をほうふつさせる藤村だ。小学館の編集者は「弊誌は成長していく人物を描く漫画が多く、成長真っ盛りの藤浪投手をクローズアップしました」と説明する。2月下旬には阪神ファンの中原氏がキャンプ地の沖縄・宜野座を訪問。藤浪に直撃インタビューを行っていた。

 中原氏はスポーツ漫画の巨匠として活躍する。高校駅伝を描いた「奈緒子」は映画化。アスリートの心の機微を描き、多くの読者から支持される。藤浪の剛腕ぶりを初めて直接見て「ミットに入る音をナマで聞いて、近くて衝撃です。目の前で見て感動しました。全日本のエースとして期待しています」とエールを送った。漫画界の第一人者の心を揺さぶるのも一流の域に達しつつある証しだろう。

 2月26日に宜野座キャンプを打ち上げた藤浪は「いいキャンプを過ごせた。80点くらい」と手応えをつかむ。2年目藤浪が“漫画”の世界を超える進化を見せれば、阪神のV奪回も近づいてくる。【酒井俊作】

 ◆阪神選手と漫画

 主砲田淵幸一をモデルにした、「がんばれ!!タブチくん!!」(いしいひさいち著)は、野球ギャグ漫画という新たな分野を確立した記念碑的作品。締まりのない言動を続けながら憎まれないタブチ君ほか、チームメートのフルサワ投手(古沢憲司)やカケフ選手(掛布雅之)ら、実在の選手を模した人物が続々登場。また「男どアホウ甲子園」(水島新司著)は、架空の阪神投手「藤村甲子園」が主人公ながら、村山実、江夏豊らが実名で脇役を務めた。