<西武8-6ソフトバンク>◇28日◇西武ドーム

 ドーム全体がどよめく特大弾だった。ソフトバンク柳田悠岐外野手(25)は3回、西武藤原の外角直球をフルスイング。打球はバックスクリーン右へ伸び、スタンドと屋根の間をすり抜けた。9試合ぶりの9号ソロは、1軍では自身初の場外アーチだ。

 「完璧でした。芯だったので飛ぶなと思った。しっかり振り抜けた。久しぶりに自分のスイングができたし、飛距離も満足です」。内川が復帰しても3番に起用されている大砲が、悔しい逆転負けの中で存在感をたっぷりに示した。

 イマドキの若者らしく「テキトー」とよく口にする。飛距離を出すこつは「背筋じゃないですか。テキトーです。ちゃんと(数値を)測ったことないので。あとは寝ること」。ただ野球に向き合う姿はテキトーではない。疲れたナイター後も筋力トレーニングは欠かさない。月間MVPを獲得する選手になっても「自分は野球が下手」との謙虚な考えがあるからだ。

 この日の推定飛距離140メートルは公式戦で自己最長。球場スタッフも驚いた。西武ドームのバックスクリーン後方には入場門がある。目の前にホームランボールが落下してきた係員の森下瑞季さん(19=大学生)は「ここまで来るとは。ビックリです」。スタッフ4年目の江頭未那美さん(21)は「このあたりの場外は、今まで中村選手しか見たことない」と目を丸くした。

 09年には西武中村がバックスクリーン左へ推定145メートルの場外弾。柳田は、おかわり君にも匹敵するパワーを見せつけた。「まあ、良かったです。三振が多いので、しないように気をつけたい」。6月の17打点は日本ハム中田を抜いてリーグトップ。期待通りに、成長曲線を描いている。【大池和幸】