<ソフトバンク0-1ロッテ>◇1日◇東京ドーム

 ソフトバンク打線が4連勝と得意だったロッテ唐川に敗れた。5月半ばに3回KOで2軍送りにした右腕に8回まで5安打しか打てず、今季2度目の無得点負け。きっちり仕上げてきたスライダーは陣営の予想以上だった。人気の「鷹の祭典」はかつての天敵に復活星を献上して開幕した。

 指揮官の頬もほんのり赤だったのは悔しさ交じりだろう。秋山幸二監督(52)の第一声は「なんにもない」だった。球団自慢の恒例イベントで強打線が無得点。5月にKOした唐川に屈した。8回まで5安打で得点圏に進めたのは3度。「油断じゃないが、目切りが早かった。スライダーの曲がりが今までと違う感じは受けたが、点を取らないと話にならん。フォーム、リズムを変えていた」と漏らした。

 試合前、藤本打撃コーチは「今年はやられたイメージはない。球種があるわけではないし、ゾーンを上げて。低めのチェンジアップ、特に左打者は気をつけること」と話した。ふたを開けると違った。警戒心の低かったスライダーが抜群だった。2ストライクと追い込まれた打者8人のうち3回の中村を除いた7人はスライダーで空振り、ファウルでカウントを稼がれた。全87球のうち35球がスライダーだった。

 長谷川

 最初から最後までスライダー。左打者にはカウント球、勝負球も。ストライクゾーンに来て右打者を含めててこずりました。

 藤井打撃コーチ

 スライダーの曲がりが以前と違う。みんな直球みたいに見えると言っていた。小さく曲がっていたのかな。切れが良くなっていた。試合途中から反対方向へと指示したが、直球も良くなった。悔しいね。

 唐川は2軍調整中、脱力し、ゆったりとした重心移動、肩越しに捕手を見るなど徹底した姿勢矯正を施され、腕が走り、球の切れを取り戻していた。8戦で0勝5敗、防御率8・31という試合前までのデータは無関係だった。1カ月半前のKOから見事な変身で復活。ソフトバンクの強打線は返り討ちにされた。

 「パ・リーグでやっているし楽には勝てない。油断せず1試合1試合やっていかんと」。秋山監督は自らに言い聞かせるような口ぶりだった。2戦ずつの交流戦とは違う。唐川が長丁場のリーグ戦を制する上で大切なものを教えてくれた。【押谷謙爾】