<広島5-8DeNA>◇19日◇マツダスタジアム

 本拠地CS開催へ、大ピンチだ。広島は先発大瀬良大地投手(23)が6回8失点と打ち込まれ、守備陣もミスが目立ち、DeNAに完敗で3連敗を喫した。試合前練習中にはスタメンに定着していた田中広輔内野手(25)が頭部を負傷し、出場選手登録を抹消された。首位巨人に7ゲーム差をつけられたどころか、3位阪神に0・5ゲーム差まで迫られた。悪い流れを断ち切り、なんとかCS広島開催だけは死守してくれ~!

 試合終了直後、若鯉軍団の面々がベンチ裏のスイングルームに集まった。張り詰めていた糸が切れたかのような敗戦。石井守備走塁コーチのもと、即席の野手ミーティングが行われた。

 石井コーチ

 消化試合みたいな入り方だったから。巨人に2連敗して9連戦を終えて、昨日がいい休養になるかと思ったけど、逆に引きずってしまったのかな。でも、まだ何も決まってはいない。望みを失った戦いをしてはいけない。

 先発大瀬良が6回10安打8失点と打ち込まれた。守備陣のミスが大量失点を生んだ側面も否めない。石井コーチが「前半は野手が防げる失点があった」と指摘した通り、2失策に加え、数字に表れないミスもあった。球際の粘り強さは12球団屈指だったはず。逆転Vを逃しても、その先にCSファーストステージが待つ。もう1度手綱を引き締め直す必要があった。

 石井コーチ

 今年優勝争いをしている中で、ガッカリした部分はあると思う。でも去年初めてCSに出たチームなんだから、そこを履き違えてはいけない。

 試合前、田中が遊撃守備練習中に頭部を負傷し、登録を抹消された。ノックを受けていた時、フリー打撃のライナーが額を直撃。裂傷で出血し、救急車で広島市内の病院に運ばれた。「前頭部挫創」と診断され、傷口を14針縫った。意識はしっかしている。全治10日間の診断だが、野村監督は「(実際に)傷を見ているから」と楽観せず、慎重に経過を見ていく構えだ。

 野村監督

 ここに来てのケガ人は非常に痛い。

 指揮官が48歳の誕生日を迎えた日、3位阪神に0・5ゲーム差とされた。スタメンに定着していた好調ルーキーが戦線離脱した。もう1度総力を結集して、2位だけは死守しなければならない。【佐井陽介】

 ▼阪神の自力2位の可能性が復活した。現在2位の広島は、阪神戦残り2試合に全敗し他球団との10試合に全勝しても、最終成績は78勝64敗2分けで勝率5割4分9厘。阪神が残り10試合に全勝すれば、79勝64敗1分けで5割5分2厘となり広島を上回るため。