積極的な走りを召し上がれ!

 楽天大久保博元監督(48)が13日、年間200盗塁を目標とした「超機動力野球」を掲げた。外国人や強打者のイメージが強いDHを活用。過去盗塁王を獲得した松井稼や聖沢を起用し、昨季最下位タイだった64盗塁からの飛躍を誓った。この日、沖縄・久米島から金武町へと移動。明日15日に行う韓国サムスンとの今季初対外試合で、キャンプで仕上げた走力を試す。

 前日の松井裕抑え転向に続き、大久保監督がまたしても大胆なプランをぶち上げた。昼食を取り終えると、おなかをさすりながらホテルのロビーに現れた。「機動力野球を超えたオーダーを組む。『超機動力野球』だよ。超っていう漢字は『走るを召し上がれ』でしょ?

 味わってもらいましょう。143盗塁するって言ってたけど、変更!

 200盗塁にする!」。空腹は満たされていたが、年間盗塁数を大盛りから特盛りに変えた。

 とびきりのオーダーを考えていた。DH枠の活用だ。外国人打者や強打者のイメージが強い場所を、あえて走力の高い選手に任せる。「1番中堅稼頭央、2番DH聖沢なんていうのを組む可能性がある」と説明した。長打を放つ打者には好不調の波がある。ならば、出塁後に盗塁を決めて単打を“二塁打”に変える選手が欲しい。中軸につなぐ前に、快足選手がいれば好機が増えると考えた。「森山、榎本、福田なんかも良い。DHにいろんなパーツをはめれば、スーパーカートリオもF1セブンも超えられる」と自信を見せた。

 味付けはすでに済んでいる。昨季はわずか64盗塁とリーグ最下位タイで、順位も最下位。積極性の乏しい姿勢を問題視していた。しかし、久米島キャンプの紅白戦では選手に「グリーンライト」と呼ばれる走塁フリーの権限を与え、走らせまくった。3試合で11盗塁を記録し、積極的にエンドランもしかけた。キャンプ総括では「スタートを切る意識が高まり、サインを出さなくても走ってくれた」と変化を感じ取っている。

 明日15日の韓国サムスンとの練習試合でいよいよ超機動力が試される。大久保監督は「超がついてるんだから、いいでチョウ!」と笑った。年間200個の目標達成には1試合あたり約1・5盗塁が必須。対戦相手もファンも満腹になるまで、走って、走って、走りまくる。【島根純】