第41回明治神宮野球大会が13日(開会式は12日)、開幕する。東北勢は大学の部へ八戸大(北東北大学野球連盟)、高校の部へ東北(宮城)が出場する。注目の的は楽天からドラフト1位指名を受けた同大の最速147キロ左腕、塩見貴洋(4年=愛媛・帝京五)。学生最後の大会に先立ち「塩見という男」の横顔に迫る。

 「塩見貴洋」は、色白の優男。キリッと整ったまゆ毛に、切れ長のシャープな目。見た目はクールなイケメン。だが性格はクールとはほど遠い。大阪出身で関西弁。チームメートからは「よくボケる。1人でハイテンション」という声が上がる。

 好きな芸能人を聞くと「大島優子!」と即答。AKB48ファンとは流行に敏感だ。ただし、DVDや写真集を持っているわけではない。寮の自室に後輩からもらったA3サイズのポスターが張ってあるだけ。恥ずかしがり屋でもある。

 マウンドに上がると表情がガラッと変わる。精密機械のような抜群の制球力。ガッツポーズはほとんど見せない。そして根っからの負けず嫌い。楽天星野監督が「左腕王国構築」案を打ち出し、長谷部、片山そして塩見の名を挙げた。まだ入団前。大物監督から主戦力とみられているだけで満足しがちだが「長谷部さん、片山さんに負けないくらい頑張りたい」と早くも闘志をあらわにする。

 そんな塩見が学生最後の大会を迎える。恩師の藤木豊監督(45)は大会後に退任する。塩見は「怒られた印象しかないけど、最後は監督も僕らも笑って終わりたい」と意気込む。

 見た目はクール、内面はひょうきんで、負けず嫌い。そして「ドラフト1位」のプライドを持つ男が、神宮の森でその実力とさまざまな表情を披露する。【三須一紀】