自主トレ初日から二刀流!

 日本ハム栗山英樹監督(51)が11日、ドラフト1位の花巻東・大谷翔平投手(18)に来年1月上旬の新人合同自主トレ初日から投手と野手両方の練習を始めさせる方針を明かした。練習方法などは本人に任せるが、2月の春季キャンプに備えて調整を進めさせる。「エース兼4番」という異例の育成プランが、年明け早速、始動する。

 超大物ルーキーを、年始から投打両方でフル回転させる。1月上旬から大谷も参加する千葉・鎌ケ谷での新人合同自主トレで栗山監督は、「エース兼4番」育成のため、春季キャンプ前から二刀流調整を指示した。「ブルペンに最初から入ることはないかもしれないが、ピッチング練習が終わった段階で、バッターの練習に入ってもらう」。球界でも異例の挑戦が、早速、始まることとなった。

 日本ハムの合同自主トレでは体幹トレーニングがメーン。ボールを使った練習はノックやキャッチボール程度。与えられた練習メニューが終了した後に、野手ならばティー打撃を行ったり、投手であればブルペンに入って投球練習を行う選手もいる。栗山監督が「もちろん、本人に任せる部分はあるけどね」と話すように、1月は監督やコーチ陣からの指導は受けられない。そのため、投手と野手の配分は、大谷本人が考えながら調整を進めることになる。

 大谷は公称193センチ、86キロと恵まれた体格だが、花巻東・佐々木監督によると「まだまだ身長も伸びている」という。これに栗山監督は「体の動きを正しく使うことも大事だよね」と注文を出した。その体の使い方を覚える上で、頼りになる人物がいる。今季はダルビッシュが在籍するレンジャーズでトレーナーを務め、来季から就任する中垣トレーニングコーチだ。栗山監督は「まあ(新人合同自主トレに)中垣がいてくれるから任せている」と、全幅の信頼を置いている。

 栗山監督は「入団発表の時、(花巻東の佐々木)監督や親にもいろいろ聞いてみたい」と、25日に札幌で行われる入団会見の際に自ら追加取材を行い、現状を把握するつもり。交渉の過程で「どちらでもやってみたい。すごくうれしかった」と大谷の心を揺さぶった二刀流育成プランが、早速実行に移される。