ボクシングの日本ヘビー級王者、藤本京太郎(28=角海老宝石)が、最大級の屈辱を受けた。同級1位で元WBA世界ウエルター級暫定王者の石田順裕(39=グリーンツダ)と対戦する3度目防衛戦は、30日に東京・後楽園ホールで行われる。28日は都内の角海老宝石ジムで両陣営そろって会見があり、グリーンツダジムの本石昌也会長(39)から手作りベルトを贈られた。

 その特製ベルトには「元日本ヘビー級チャンピオン 藤本京太郎くん」と屈辱的文字が書かれていたが、藤本は苦行に耐えるように目をつむってじっと我慢。それでも、口元は怒りでゆがんでいた。終了後、足早に会見場を離れた王者は「ボーッとすると記憶がなくなるんです。(会見は)聞いてなかった。見てないので」と、ベルトについては口を閉ざした。

 昨年も同じ4月30日にノンタイトル8回戦で石田と対戦し、3-0の判定で勝利している。今回は、敗者が勝者の腰にチャンピオンベルトを巻くことも内定している。これ以上、屈辱を味わうわけにはいかない藤本は「そうは、ならない。なるわけには、いかない」と語気を強めた。