前WBA世界スーパーフライ級王者の清水智信(31=金子)が10日、都内ジムで現役引退を表明した。4月4日、現王者テーパリットに挑戦も9回TKO負けで王座返り咲きに失敗。今後の去就について考えてきた。周囲からは階級を変更して2階級制覇を期待する声も多かったが「負けて悔しさが沸いてこなかった。もう1回、世界挑戦との気持ちにもなれなかった」と戦意は戻らなかった。

 昨年8月に悲願の世界王座奪取も、その後、ケガを理由に休養王者に格下げされた。「あれがなかったら2階級制覇に向けて頑張っていたかも」と「政治」にほんろうされたことがボクシング人生の結末を早めたことは間違いなかった。今後は地元の福井市内でフィットネスジム「Box

 Style」の社長に就任する。「自分は興行のことはわからない」とプロではなく、アマチュア選手を育成していく。

 政界入りの夢もある。すでに地元選出の稲田朋美衆院議員(自民党)のセミナーに通う。地元では絶大な知名度を誇るだけに、将来的には国政に進出する可能性もある。