<アユFISHING>

 盛期の友釣りを満喫!

 大型の海産アユを狙おうと和歌山・紀ノ川へ先日、出掛けた。午前8時ごろから「竜門友釣り専用区」に入川。午前中は高水温で天然オトリの確保に苦労したが、オトリが替わると追いが一変。縄張り意識の強い野アユが好調に掛かり、26センチの大型もヒット。瀬落ちでの泳がせ釣りでは7~8連の入れ掛かりも堪能し午後5時までに14~26センチを46匹追わせた。猛暑も忘れ、海産の鮮烈なアタリと、豪快な引きを夢中で楽しんだ。

 

 午前8時ごろ、竜門友釣り専用区の左岸側にオトリ缶を浸けた。だが、水温が28度もあり、オトリの水合わせに失敗。ヨレヨレになったオトリで2時間ほど瀬を引くが全くアタリなし。盛期の海産アユはナチュラルにオトリの尻尾を振らせなければなかなか追ってくれない。オトリの追加を買いに行こうかとあきらめかけたその時、上流のトロ場で群れアユを追う黄色い縄張りアユを発見した。

 すかさず、弱ったオトリに松葉背バリをセット。スイッとオトリを水中に引き込み、ラインのテンションを抜くと、オトリがよたよたと尻尾を振った瞬間、川底でせん光が走り、目印が吹っ飛んだ。慎重にロッドの弾力で野アユの引きを受け止め、がっちりと背掛かりしたのを確認してから引き抜いたのは真っ黄色な22センチの海産アユだった。

 起死回生の一匹。これをオトリにするとスイスイ、ドカーン。いとも簡単に2匹目が追ってきた。時合(ハミ時)も重なり、下手の人も、しきりにサオを曲げる。20センチ級を4匹追加し、天然オトリをキープしたところで、下流の早瀬へ。瀬頭にオトリを沈め、目印を立てると、すぐにゴーンと強烈なアタリがきた。

 サオを立てる間もなく掛かりアユが下流へ走る。必死で20メートルほど追いかけ、取り込んだのは26センチのビッグサイズだった。ハナカンを通す気にならないほどでかい。両手で獲物をつかんで引き船に押し込んだ。その後も良型の鮮烈なアタリが続き、午後1時までに20~23センチを10匹ほど追加した。

 休憩をはさんだ午後2時ごろからは下流の瀬落ちの開きに入った。立てザオの泳がせ釣りで攻めると、目印がスイスイ、キュイーンと走る。サイズにばらつきはあるが、入れ掛かりになり同5時までに引き船いっぱいの46匹(14~26センチ)をキープ。友釣りのテクニックはいろいろあるが、基本はやっぱり、オトリに尻尾を振らせることだと午前中の地獄と午後の天国を味わい、あらためて実感した。【日刊FPC・根来正巳】

 【今後の見通し】紀ノ川のアユはこれからが本番で数、型ともに期待できる。取材当日は0・2号のナイロン糸を簡単にぶち切っていく大型も掛かり、トロ場では20センチ級が群れをなして泳ぐ姿が見えていた。尺級を狙うなら上流の橋本橋周辺、数なら竜門橋のえん堤が狙い目で9月末まで楽しめそうだ。

 【問い合わせ】紀ノ川漁業協同組合【電話】0736・66・9111。テレフォンサービスは0736・66・9777。入川券は年券1万500円、日券3150円。

 【交通】マイカー利用が便利。阪和自動車道の和歌山ICから国道24号で上流へ走り、粉河町の「竜門友釣り専用区」へ。